世界一幸運…スミヨンが贈る日本への感謝 JC覚醒エピファ、有馬はどっちに転ぶ?

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ジャパンカップはスミヨン騎乗のエピファネイアが4馬身差の圧勝! 【中原義史】

 日本と世界のトップホースが激突するJRA秋の大一番、第34回GIジャパンカップが30日、東京競馬場2400メートル芝で開催され、クリストフ・スミヨン騎乗の4番人気エピファネイア(牡4=栗東・角居厩舎、父シンボリクリスエス)が優勝。好位3番手のインから最後の直線で豪快に突き抜け、福永祐一騎乗の3番人気ジャスタウェイ(牡5=栗東・須貝厩舎)に4馬身もの差をつけて快勝した。良馬場の勝ちタイムは2分23秒1。

 エピファネイアは今回の勝利で通算12戦6勝(海外1戦0勝含む)、重賞は4勝目。GI勝利は2013年菊花賞以来の2勝目となった。また、騎乗したスミヨンはジャパンカップ初勝利、同馬を管理する角居勝彦調教師は09年ウオッカ以来となるJC2勝目。

 なお、2着ジャスタウェイから半馬身差の3着には北村宏司騎乗の6番人気スピルバーグ(牡5=美浦・藤沢和厩舎)が入線。JC3連覇を狙ったライアン・ムーア騎乗の1番人気ジェンティルドンナ(牝5=栗東・石坂厩舎)は、スピルバーグから3/4馬身差の4着に敗れた。

強く、そして鮮やかすぎる勝ち方

エピファネイアの鮮やかすぎる勝ちっぷりにただ驚くばかりだ 【中原義史】

 フルゲート18頭中、国内・海外あわせて実に12頭ものGI馬が顔をそろえた今年のジャパンカップ。目のくらむような豪華すぎるメンバーの中、大変失礼ではあるのだけど、エピファネイアがまさかこれほどまでの競馬をするとは思ってもいなかった。

 もちろん、GI馬12頭の中でノーチャンスの馬はいないと思っていたし、その中でもエピファネイアはかなり有力の部類に入っているとも思っていた。ただ、やはりこれだけの面子である。レース前にカメラマンの中原義史氏との打ち合わせでは、「最後は横一線になりそうなくらい実力伯仲ですし、そこからどの馬も抜け出せる力を持っているから、撮影する分には大変なレースになるかもしれないですねぇ」、なんて話していたくらいだ。

 しかし、こちらの勝手なレース予想をアッサリ裏切ってくれるくらいに、エピファネイアは強く、そして鮮やかすぎる勝ち方だった。

イレ込みに発汗、スミヨン「自信なかった」

レース前は発汗が目立ち、スミヨンも「自信がなかった」と振り返っている 【中原義史】

 と言って、パドックでのエピファネイアはそこまで良く見せていたわけでもなかったように思う。寒くなったこの時期でも発汗がひどく、これは大丈夫なのかなぁ?と心配になってくる雰囲気だった。レース後のインタビューで、スミヨンもこんなことを言っていた。

「パドックで馬を見たときはかなりイレ込んでいたし、厩務員さんが一生懸命抑え込む中、馬も汗だくだった。馬場入りしたときも、一瞬落ちるかと思ったくらいビュンって飛び出していったんだ。そんな感じだったからあまり自信はなかったし、角居調教師が『折り合いをつけて6、7番手くらいで』と言ってくれたんだけど、それはちょっと無理だと思ったよ」

 傍からレースを見ている限りでは、インの好位3番手でうまく折り合いをつけているようにも見えたし、有力各馬よりも一歩先んじた積極策を展開していたから、さすがスミヨン、勝負に行っているなぁ、などと考えていたのだけど、実際はそうではなかったのだ。
「ポンとスタートを切った後、どうにか2、3番手から進めることができて、コーナーごとに何とか抑えようとしたんだけど、実はそれもままならなかったんだ」

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