初の大会を終えた21U代表の大義 国際舞台で育った世代がつなぐ球界の未来
国際大会にプロが出るのは当たり前
近藤と野村がともに印象に残るシーンとして挙げた第2回WBC決勝でイチローが放った勝ち越し打 【写真は共同】
子供の頃からプロ選手が世界で戦う姿を見てきた21歳。14年前、五輪にプロが参加することは革命的なことだったが、彼らの世代にとって、国際大会にプロが出場することは当たり前になっている。
世界の舞台で日本のトッププロが見せた姿は、海外の球児にも影響を与えていた。21U韓国代表の外野手、金仁泰は幼かった頃のシドニー五輪の記憶についてコメント。「自分と同じ左打者として、松中(信彦)選手の力強いバッティングが印象に残っています」
また台湾の4番打者、王柏融は「北京五輪、WBCでの稲葉(篤紀)選手の活躍には、自分も左打ちの外野手なので注目しました」と思い出を語った。彼らの世代は、海外の選手が子供の頃から身近な存在だった。
そんな21Uの選手たちが見据えるのは3年後、2017年の第4回WBCでの代表入りだ。21歳にとって、3年後はプロ6年目、大卒なら2年目。昨年の第3回WBCにおいて、プロ6年目で代表入りした選手には中田翔(日本ハム)が該当する。若手から中堅へと差し掛かり、チームの中心選手として大きく飛躍する時期だ。
18U、21U、WBCへつながる球界の未来
また野村も、「アマとしてプロと一緒にプレーできるのはいい経験だった。この大会では技術的にフォームがバラバラでバランスを修正できなかった。悔しい大会だったが、(プロ入りする)来年につながると思う」と前向きに捉えた。
今回の21U代表の中には北條史也(阪神)、笹川晃平(東洋大学)らの18U代表経験者もいた。彼らは各国の選手と再会を果たし、互いの成長を確認しあった。3年後のWBCでも同じように、今回の21Uメンバーが世界のライバルたちと顔を合わせるかもしれない。そこで見せる、高いレベルのプレー。そして、その姿に子供たちが憧れることで、野球界はさらに未来へとつながっていくことだろう。