初の大会を終えた21U代表の大義 国際舞台で育った世代がつなぐ球界の未来
あと一歩だった初代王者の座
決勝は0対9で敗れ、初代王者を逃した21U侍ジャパン。次の大舞台が3年後の第4回WBCだ 【Getty Images】
今回が初開催となるこの大会。各チームの力の入れようはまちまちで、IBAFの世界ランキング1位・米国と3位・キューバは不参加。優勝した台湾は、来季から埼玉西武でプレーする郭俊麟を含めてプロ3人、アマチュア21人という選手構成だった。
一方、プロ16人、アマ8人(うちドラフト指名者2人)が集まった日本。その中には1軍で活躍する中村勝、上沢直之、近藤健介(いずれも北海道日本ハム)、鈴木誠也(広島)らも含まれていた。日本の21U代表に持つ大義。それは侍ジャパンの旗の下、「将来のトップチーム入りを目指す」というものだった。決勝戦に敗れた後、21U日本代表の平田勝男監督(阪神)はそのことを踏まえ、淡々とこう話した。
「自分の力を出せるか出せないかの差だった。選手にはいい経験になった。勝負事はこういうところで勝たなければならない。選手たちはこれから日本の野球界を引っ張る存在にならなければいけないのだから。そのために今回の悔しさを糧に大きくなってほしい」
※オーバーエージ枠として1991、92年生まれの選手も最大6人まで登録が可能
日本代表の節目とともに育った世代
93年生まれが中学1年生になった06年。真の世界王者を懸けた戦い、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の第1回大会が行われた。30人のスター選手で構成された日本代表は、決勝戦でキューバを下し、世界一の座を手にした。
そして彼らが、高校生活を始めた09年。松坂、イチローら5人のメジャーリーガーを含む28人は、キューバ、米国、韓国の強豪を倒し、大会2連覇を達成した。このメンバーの中からのちにダルビッシュ有、田中将大、青木宣親ら8人が海を渡り、米国でプレーしている。