競争の結果、ベテラン招集は自然な流れ 代表強化に必要なプロセスとは?

大島和人

望むのはフェアな競争

W杯ロシア大会を見据えれば、本田(左)もベテランに入ってくる。これから4年で若手がどれだけ彼らを追い込み、追い出せるか 【写真:中西祐介/アフロスポーツ】

 遠藤38歳、今野35歳、長谷部34歳――。彼らはW杯ロシア大会をこのような年齢で迎えることになる。決してやれない年齢ではないが、彼らを計算に入れることは難しい。加えて現在28歳の本田圭佑と岡崎慎司も、3年半後にはベテランという年齢層に入っている。

 これから4年で若手がどれだけ彼らを追い込み、追い出せるか。そういうチーム内のバトルが熱を帯びて初めて、チームは前進できる。ザック・ジャパンのコピーに終わったら、アギーレ・ジャパンに未来はない。しかし未熟な選手を若いというだけで引っ張り上げたら、逆にチームをスポイルすることになる。フェアに競争させ、自力で勝ち上がらせる――。そういうプロセスが、代表強化には必要だ。

 アジア杯に勝つためだけでなく、若手選手を育てるためにも、今回の人選は一応リーズナブル(合理的)だ。無論、“このままで良し”とは口が裂けても言うまい。1月のアジア杯が終わったときに、チーム内のヒエラルキーが今のままだったら、アギーレ・ジャパンのチーム作りは停滞しているということだ。

 私の考えるアギーレ・ジャパンにとってのベストストーリーは、若手がベテランとフェアに競争した上で、実力を示して自力で世代交代を進めること。あえてこういう言い方をさせてもらうが、ロンドン世代、リオ世代にとって遠藤や今野、長谷部は“最強の噛ませ犬”となれるハイレベルな選手たちなのだ。

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著者プロフィール

1976年生まれ。生まれが横浜で育ちは埼玉。現在は東京都(神奈川県に非ず)町田市に在住している。サッカーは親にやらされたが好きになれず、Jリーグ開幕後に観戦者として魅力へ目覚めた。学生時代は渋谷の某放送局で海外スポーツのリサーチを担当し、留年するほどのめり込む。卒業後は堅気転向を志して某外資系損保などに勤務するも足を洗いきれず、2010年より球技ライターとしてメジャー活動を開始。

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