ダウンヒルで“新感覚”のアウトドア体験 「松原渓のスポーツ百景」

松原渓

【松原渓】

エックスゲームズはスリル満点

「エクストリームスポーツ」と呼ばれるジャンルがある。直訳すると、extreme =“過激な”という意味で、すなわち過激な要素を持つ、極端な状況下で行われる競技を指す。

 例を挙げると、体ひとつで岩壁を上るフリークライミングやスカイダイビング、激流下り(ラフティング、カヤック)、フリーダイビング(潜水)など、肉体と精神の限界に挑む競技もあれば、フリースタイルモトクロス(バイクでのアクションを競う)、BMX、フリーラインスケート(技の芸術性を競う)など、技術・表現力を追求する競技もある。身近なものではスノーボードやバンジージャンプなどもエクストリームスポーツに分類される。

 エクストリームスポーツの祭典、「エックスゲームズ(X Games)」は近年注目度が高まっていて、年2回、全世界でテレビ放送される。スポンサーもたくさん協賛するため、賞金は高額。全世界の一流選手達が集まるため、五輪よりレベルが高くなることもあるそうだ。

 この大会を私もテレビで見たことがあるのだけれど、見ているだけで手に汗を握り、アドレナリンが溢れ出してくるスリル満点の競技ばかり。その上、スノーボードやスケートなどは音楽性やファッション性も高く、“オシャレ感”も魅力だ。個人的には「フリースタイルモトクロス」にハマってしまった。重さ数十キロ〜数百キロにも及ぶバイクを操り、アクロバティックなジャンプや回転技を繰り出す。無謀とも言えるような技が、美しく決まった瞬間の衝撃といったらない。

安全に楽しめて、スリルも味わえる「ダウンヒル」

斜面を一気に駆け抜ける! 【松原渓】

 私もバイクに乗るのが好きで、モトクロス競技を体験したことがある。モトクロスはジャンプ台や凹凸の激しいコースを走り抜けるスポーツ。スリルに背筋がゾクゾクしたけれど、実際、大きな危険やリスクと隣り合わせでもある。運転している時は緊張しっぱなしだった。ジャンプの際に一度転んで地面に打ち付けられ、幸い無傷だったものの、その怖さを実感した。

 フリースタイルモトクロスは、そのモトクロスにさらに高度なトリックを要求するもので、後方回転や、ジャンプ時にハンドルの上に立つなど(!)、もはや人間業とは思えない。でも、諦めるのはまだ早い。安全に楽しめて、スリルも味わえるエクストリーム競技もあるのだ! そこで今回、おススメしたいのが「ダウンヒル」だ。

 私は2012年の夏に自転車雑誌の撮影で体験したのがきっかけで、ダウンヒルの楽しさを知ってしまった。ダウンヒルはマウンテンバイク競技の一種で、山の中や斜面のコースを駆け下りる。それなりに危険は伴うけれど、初心者向けのコースや、緩やかなダウンヒルを景色を楽しみながら下れるコースもたくさんある。私が走ったのは、野沢温泉スキー場のコースだった。
 野沢温泉スキー場は、冬はスキー場として使用されるフィールドを全長10キロのMTBコースとして解放している。ちょうど夏から秋にかけての季節だったので、黄金色の小麦が揺れる田園風景はツーリングにもぴったりだった。

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著者プロフィール

サッカー番組のアシスタントMCを経て、現在はBSフジにて『INAC TV』オフィシャルキャスターを務める。2008年より、スポーツライターとしての活動もスタート。日テレ・ベレーザの下部組織であるメニーナのセレクションを受けたことがある。『キャプテン翼』の原作者である高橋陽一先生が監督を務める女子芸能人フットサルチーム「南葛シューターズ」にて現在もプレー。父親の影響で、幼少時から登山、クロスカントリー、サイクリングなど、アウトドア体験が豊富。「Yahoo!ニュース個人」(http://bylines.news.yahoo.co.jp/matsubarakei/)でも連載中

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