秋山幸二監督「日本一へのワンステップ」 ソフトバンク、リーグ優勝会見全文
試合は2回裏に細川亨の犠牲フライでソフトバンクが先制するも、終盤の7回表、オリックスは代打・原拓也のタイムリーで同点に追いつく。そのまま1対1で迎えた延長10回裏、1死満塁のチャンスをつくると、選手会長の松田宣浩が左中間にサヨナラ打を放ち、歓喜の瞬間を迎えた。試合終了直後には秋山幸二監督の胴上げが行われ、就任3度目のリーグ制覇を果たした指揮官が7度、宙を舞った。
以下は試合終了後に行われた、秋山監督、松田と五十嵐亮太の優勝会見でのコメント。
秋山監督「半端じゃないプレッシャーだった」
秋山監督 いやー、あまり覚えていませんが、気持ちよかったです。
――グラウンドで選手一人一人と抱擁していましたが、その時の気持ちは?
秋山監督 今日の試合前、プレッシャーを選手はひしひしと感じていて、僕も初めて味わいましたが、半端じゃないプレッシャーの中、全員で優勝を勝ち取ったので、うれしかったですね。
――半端ではないプレッシャーで、産みの苦しみもあったと思いますが、緊張感はありましたか?
秋山監督 そうですね。連敗もありましたし、相手のオリックスさんも強いチームでしたし、どちらに勝ちが転んでもおかしくない試合でした。最後の試合で、「勝たねばならない」というファン、マスコミのみなさんの期待を感じていました。今思えば、自分に言い聞かせながら、143試合を積み上げてきた試合なので、何とか(今日は)勝たせてあげたいという気持ちでした。今日に気持ちを持っていくようにしました。
――今年のペナントを取れた要因を秋山監督はどこだと思いますか?
秋山監督 みんなの力だと思います。故障者も出ましたが、そこを補ってくれる選手が出てくれましたし、チーム力というのが一番だと思います。開幕の1試合目から143試合、全力で毎試合毎試合を戦って、積み上げてきた結果だと思います。
――まず、投手について聞きます。補強した中田(賢一)投手、スタンリッジ投手がともに11勝を挙げ、先発陣が整備されましたね。
秋山監督 そうですね。新しく加わったメンバーが力を発揮したのもありますし、今までのメンバーと一緒になってチームが一つになっていたと思います。みんなの力ではないでしょうか。怪我人が多かったのをカバーし合えたと思います。若い力もありましたし、最後は大隣(憲司)が復帰してここ一番の試合でやってくれたのはうれしいですね。
――五十嵐投手やサファテ投手、ルーキーの森(唯斗)投手らリリーフ陣が安定していたと思いますが?
秋山監督 勝ちパターンの投手はプレッシャーの多い場面で投げるなかで、力を出してくれて、勝ちに持っていってくれた試合が本当に多かったです。また、先発の人たちもそういう人たちがいた中で、試合を最初から飛ばしていけたのかと思います。ピッチャーの中でもチームの力があったと思います。
――打線についてです。チーム打率が2割8分台をキープするなど、能力の高い選手が多かったですが、この1年、打線をどう見ていましたか?
秋山監督 今年は、李大浩が入ってきて、4番を144試合任せて、その存在は大きかったです。あと、個人個人が自分の持ち場で力を発揮してくれたのが大きかったですね。一発というよりは、つなぐ気持ちでやってくれたのが良かったと思います。
――総合力において強かったホークスですが、今年、成長した点は?
秋山監督 やはり今日の試合じゃないでしょうか。このプレッシャーの中で勝てたこと、彼らにとって、これからの野球人生でプラスになると思います。この経験を生かしてもらいたいと思います。これを見た若い人たちもそういう場面でも力を発揮できるようになってほしいので、もっと上を目指してやってほしいと期待しています。
――CSに向けて意気込み、日本シリーズに向けての意気込みをお願いします。
秋山監督 今年のキャンプから「また日本一を取る」という気持ちでやってきました。開幕1試合目から積み上げてきて、まずはワンステップ、リーグ優勝ができました。また、CSを勝ち上がって、最終目標である日本一を勝ち取りたいと思っています。1戦1戦を大事にしながら、勝ち上がっていきたいと思います。