なぜ韓国はアジア大会に本気で臨むのか 頂点へ油断なしも、命運を握るのは日本?
変わった状況、対日本を意識
決勝での先発が予想される金廣鉉。当初は台湾を想定されていたというが、予選を経てその分析対象は日本に変わったという(写真は09年WBCのもの) 【Getty Images】
「北京五輪、4年前の広州アジア大会と、(準決勝で対戦する)中国に楽に勝ったことがない。特に準決勝はこれまでの戦いとは別物なので、気を引き締めた方が良いと、(先発登板予定の)李在学(イ・ジェハク、23=NC)にも言いました」
韓国が大会前に描いたシナリオは、準決勝で中国を破り、台湾との決勝戦を制することだった。しかし予選を経て、状況が少し変わってきた。柳仲逸監督は「台湾の実力がそれほどでもなかった。準決勝で台湾は日本に負けるかもしれない」。韓国は予選の台湾戦に10対0、8回コールド勝ちしている。これまで韓国は台湾を中心に対策を練ってきたが、決勝戦を前に、対日本の戦力分析結果を選手間でも共有することにした。
見据えるは「5戦全勝で金メダル」
決勝戦で韓国と顔を合わせるのは日本か台湾か。野球日本代表「侍ジャパン」社会人代表を率いる小島啓民監督(50=三菱重工/長崎県庁)はこう口にする。
「前回(広州大会)は韓国と対戦していないですからやってみたいですね。韓国は日本が来る方が嫌だと思うんですよ。こちらはいろいろと試してみたいことがあります。先発は金廣鉉でしょ?」
韓国の選手に関する知識を豊富に持つ小島監督にとって、韓国は野球人マインドをくすぐる対戦相手だ。
「銀メダルは要りません。(今大会)5戦全勝で金メダルを狙います」。予選を終えて、力強く語った韓国の柳仲逸監督。その運命を左右するのは日本か台湾か。アジア大会準決勝は27日、日本対台湾、韓国対中国で行われ、その勝者が28日、決勝戦で激突する。