秋山成勲「2年半のブランクはプラス」=9.20UFC日本大会メディアデー

長谷川亮

「海外の人に好かれる感じ」を意識したスーツ

2年半ぶりの復帰となる秋山は「自分の居場所に戻ってきた感じがする」と充実感と高揚の入り混じった表情を見せた 【スポーツナビ】

 開催までカウントダウンに入った「UFC FIGHT NIGHT JAPAN2014」(9月20日/埼玉・さいたまスーパーアリーナ)のUFCメディアデーが17日、都内ホテルで行われた。これは試合を目前にした選手たちが対戦相手と向き合っての写真撮影や、囲み取材に応じ意気込みを述べるというもので、ほかにも水垣偉弥とユライア・フェイバーが参加して11月20日に発売となるゲーム「EA SPORTS UFC」のデモンストレーションも実施された。

 2012年の日本大会以来、今回が2年半ぶりの試合となる秋山成勲は「海外の人に好かれる感じ」を意識したというスーツで登場。対戦相手のアミール・サダローとはこの日初対面となったが、「思ったより大きくなかった」と言い、「ブランクは気にしておらず、マイナスはない。体調はいいし、2年半掛けて体調を作ってきたとプラスに考えている」と話し、前日行われた公開練習時と同様、不安な様子はのぞかせなかった。

久々の格闘界に「戻ってきた感がある」

秋山成勲とアミール・サダローはともにスーツを着てメディアデーに出席 【スポーツナビ】

 最近ではテレビ出演など芸能活動も目についた秋山だが、「ここは自分の居場所じゃない」と思う気持ちが沸き上がったと語り、公開練習やメディアデーの参加を通じ、「戻ってきた感がある」と充実感と高揚の入り混じった表情を見せた。

 これまで5回のUFC出場で3度のファイト・オブ・ザ・ナイトを受賞している“名勝負男”秋山だが、現在は4連敗中と崖っぷち。現役続行、そしてUFC韓国大会開催の折には出場を希望しており、「八重樫(東)選手の試合のように、ああいう気持ちで前に出たい」と2009年7月以来、遠ざかっている勝利を得んと力を込めた。

佐藤豪則「師匠の桜庭さんの技を見せたい」

師匠である桜庭和志が大活躍したさいたまスーパーアリーナで、「桜庭さんの技を見せたい」と必勝を誓う佐藤 【スポーツナビ】

 パンクラスでウェルター級王座を5回に渡り防衛を果たした佐藤豪則は、緊急出場で不本意な結果に終わった今年2月以来2度目となるUFC出場。前回はエリック・シウバに初回KO負けを喫したが、この体験を「生き物のレベルが違う感じ」であったと振り返る。

 しかし、組んだ場面では手応えも感じており、フィジカルの重点的強化を行い、さらにボクシングの三迫ジムへ通ってステップも習得、今回は打撃の交換にも応じつつ、自信を持つ組んでの展開へ持ち込むのを狙う。

 現在は長南亮率いるTRIBE TOKYO M.M.Aに籍を置く佐藤だが、「師匠が誰かと言えば桜庭(和志)さん」といい、「思い入れが深い」場所であるさいたまスーパーアリーナで「桜庭さんの技を見せられたら」と意気込む。

「桜庭さんに『頑張ってますよ』というところを見せたい」と話す佐藤、名誉挽回の勝利はなるか。

中井りんは制服のコスプレで登場

制服コスプレで注目を集めた中井 【スポーツナビ】

 このほか、悲願のUFCデビューを叶え、いきなりランキング10位のアレックス・キャセレスと対戦する金原正徳は「これが最後になってもいいぐらいの気持ちはある」と覚悟と強い思いを語り、堀口恭司・佐々木憂流迦とともに若手三銃士のごとく期待を集める田中路教は「アグレッシブさとスピードを見せたい」と表情を引き締めた。

 また、アジア人初の女性UFCファイターとして注目を集める中井りんは「ビジネスカジュアルをテーマ」に征服のコスプレで登場。女子バンタム級2位のミーシャ・テイトとの一戦になるが、「ミーシャ選手もアグレッシブなので自分も負けないようにアグレッシブに攻めたい」と意気込んだ。一方、ミーシャも「さいたまスーパーアリーナの屋根がぶっ飛ぶほどの試合がしたい」と気合十分だった。

ユライア・フェイバーが水垣をKO!?

UFCのテレビゲームで2010年11月WECの再戦となった水垣とユライア・フェイバー。結果はフェイバーのKO勝ち 【スポーツナビ】

 また、「EA SPORTS UFC」のデモンストレーションには水垣偉弥とユライア・フェイバーが登場。2010年11月にWECで対戦している両者だが(※ユライアが1Rにチョークで一本勝ち)、ゲームに舞台を変えての第2戦実施となった。

 水垣が水垣、ユライアがユライアと、それぞれのキャラクターを操作しての対戦となった試合は、両者とも操作に不慣れであることからほぼディフェンスを無視した壮絶な打ち合いに。水垣が初回に左フックで先制ダウンを奪うが、ユライアもヒジでダウンを奪い盛り返す。

 出血の見られたユライアだが、打撃戦のさなか、水垣が放った右ストレートの打ち終わりに再びヒジをクリーンヒットして2Rにノックアウト。

「昔を思い出しました」と複雑な表情の水垣だったが、戦い終わればノーサイドでユライアと肩を組み写真に納まるなど、自身が登場するゲームを十二分に楽しんだようだった。
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著者プロフィール

1977年、東京都出身。「ゴング格闘技」編集部を経て2005年よりフリーのライターに。格闘技を中心に取材を行い、同年よりスポーツナビにも執筆を開始。そのほか映画関連やコラムの執筆、ドキュメンタリー映画『琉球シネマパラダイス』(2017)『沖縄工芸パラダイス』(2019)の監督も。

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