欧州CL開幕、優勝は10チームの争いか 香川、柿谷、内田ら日本人選手への期待も

西部謙司

激戦区はグループEとF

昨シーズンはレアル・マドリーが10度目の優勝を果たした。今季も白熱した戦いが予想される 【写真:Maurizio Borsari/アフロ】

 現地時間9月16日、欧州チャンピオンズリーグ(CL)のグループステージが開幕する。昨シーズンはレアル・マドリーがデシマ(10回目の優勝)を達成した。今季も白熱した戦いが繰り広げられることだろう。

 優勝の可能性があるのは10チームと予想される。グループ順に見ていくと、アトレティコ・マドリー、レアル・マドリー、リバプール、アーセナル、ボルシア・ドルトムント、バイエルン・ミュンヘン、マンチェスター・シティ、バルセロナ、パリ・サンジェルマン、チェルシー。この中から優勝チームが出る可能性が高い。

 グループリーグでトップ10の3チームが同居しているところはないが、2チームが含まれているグループは4つある。リバプールとレアル・マドリーのグループB、以下グループD(アーセナル、ドルトムント)、E(バイエルン、マンチェスター・シティ)、F(バルセロナ、パリ・サンジェルマン)である。

 最大の激戦区になりそうなのがグループEだ。バイエルン、マンチェスター・シティのほかにトップ10に次ぐ実力を持つASローマ、そして曲者のCSKAモスクワがいる。それに次ぐのがバルセロナ、パリSG、アヤックス、アポエルのグループF。アヤックスが2強体制を崩せるかどうか。

 逆にトップ10が1つも含まれないグループも2つあり、こちらはこちらで実力が均衡している。グループCはバイヤー・レバークーゼンが強そうだが、モナコ、ゼニト、ベンフィカとの差はない。Hのアスレティック・ビルバオ、Bateボリソフ、FCポルト、シャフタールもつぶし合いになりそうだ。

 グループDも、ガラタサライの出来次第ではアーセナル、ドルトムントの2強を食う可能性はある。

王者レアル・マドリーの対抗はバイエルンか

レアル・マドリーの対抗はバイエルンか。シャビ・アロンソを獲得するなど、充実した戦力を誇る 【写真:アフロ】

 昨季のチャンピオン、レアル・マドリーは今季もハメス・ロドリゲス、トニ・クロースと旬のスターを獲得した。ポゼッションして強く、カウンターを狙えばさらに強いレアル・マドリーは、戦術的に最も完成されたチームだった。ただ、レアル・マドリーの補強はいつも華があるかわりに強化方針とはズレているのも常で、補強というよりコレクションに近い。カルロ・アンチェロッティ監督は、ミランやチェルシーでも無理難題を押しつけられながら最後は帳尻を合わせてきたチーム作りの名人であるため、今季も何とかするのだろうが、まとまる前に強力なライバルと当たればあえなく撃沈もありうる。

 対抗は、昨季の準決勝でレアル・マドリーに敗れたバイエルンだろう。ジョゼップ・グアルディオラ監督の2年目、クロースを引き抜かれたのは痛いが、代わりにレアル・マドリーからシャビ・アロンソを獲得して穴埋めはできた。ワールドカップで優勝したドイツ代表選手をそろえたメンバーは充実している。変化を好むグアルディオラ監督が手腕を発揮するための素材は十分だ。

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著者プロフィール

1962年9月27日、東京都出身。サッカー専門誌記者を経て2002年よりフリーランス。近著は『フットボール代表 プレースタイル図鑑』(カンゼン) 『Jリーグ新戦術レポート2022』(ELGOLAZO BOOKS)。タグマにてWEBマガジン『犬の生活SUPER』を展開中

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