野球女子代表4連覇で「国民的関心事」へ、W杯が宮崎できょう開幕!

島尻譲

パイオニアたちが示してきた女子野球のレベルの高さ

大会4連覇の期待が懸かるマドンナジャパン。川端(左)と三浦のプロ2選手が打線を引っ張る 【島尻譲】

 きょう9月1日から1週間、「ENEOS Presents 第6回IBAF女子野球ワールドカップ(W杯)2014宮崎大会」が宮崎で日本を含めた8チームによって繰り広げられる。ただ、乱暴な書き方をしてしまえば、まだ「村の話」のようなものかもしれない。要するに、よほど関心の高い人間でないと知らないことでもあるのが現実だ。

 野球日本代表「侍ジャパン」女子代表にとって今大会は4連覇が懸かっている。2004年から2年ごとに行われている女子野球W杯。日本は第1回大会から参戦していて、順に準優勝、準優勝、優勝、優勝、優勝と、世界レベルで十分に戦えることを女子野球のパイオニアたちが示してきた。もちろん、松山で開催された08年の第3回大会から「マドンナジャパン」と命名された日本代表は、今大会も可能な限りの準備をして臨む。昨冬のトライアウトを経て、年が明けて2月からの合同合宿を皮切りに、月に1回ペースで選抜チームやプロ選抜などと強化試合も行い11戦11勝。途中からは前大会と同様に、プロからも候補選手を招集して代表候補選手の絞り込みを行ってきた。

万能選手の躍進が今大会の鍵

二塁手と遊撃手、両方をこなす出口 【島尻譲】

 今大会で代表監督を務める大倉孝一(環太平洋大)は過去にも国際大会で監督やコーチとして携わってきた女子野球界のプロフェッサーとも呼べる存在。今大会に向けても「スモールベースボールと、簡単に言えるものではないけれども、やっぱり、チーム全体で細かいこともできる。そんなチームで戦っていきたい」と、現体制スタート時から語っている。

 過去に国際大会で実績のある金由起子(ホーネッツ・レディース)、主将の志村亜貴子(アサヒトラスト)、中島梨紗(アストライア)、西朝美(AFB TTR)、第4回大会MVPの六角彩子、第5回大会MVPの磯崎由加里(ともに侍)らがチームをけん引していくことになるだろうが、今大会は複数ポジションを安心して任せられる選手が多いのも一つの特徴。

 内野のポジションを複数こなせるのが厚ヶ瀬美姫(アストライア)、川端友紀(アストライア)、兼子沙希(平成国際大)、出口彩香(尚美学園大)。捕手兼外野手では中村茜(フローラ)と寺部歩美(尚美学園大)がいて、平賀愛莉(平成国際大)は内野と外野を兼務できる。これによって相手チームの戦い方や選手のコンディションを見極めた上で、多様な戦術バリエーションを敷けるのが今大会のマドンナジャパンの魅力。女子バレーボール全日本チームの「ハイブリッド6」とは少し異なるが、万能タイプ選手の躍進が今大会の鍵を握るように思える。

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著者プロフィール

 1973年生まれ。東京都出身。立教高−関西学院大。高校、大学では野球部に所属した。卒業後、サラリーマン、野球評論家・金村義明氏のマネージャーを経て、スポーツライターに転身。また、「J SPORTS」の全日本大学野球選手権の解説を務め、著書に『ベースボールアゲイン』(長崎出版)がある。

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