野球女子代表4連覇で「国民的関心事」へ、W杯が宮崎できょう開幕!

島尻譲

女子プロ野球界を代表する選手たちに期待!

ワンポイントからロングリリーフまで多彩な活躍が期待される吉井 【島尻譲】

 さらに、筆者的にもう少し細かく選手個々を追いかけてみると、投手陣で注目したいのは矢野みなみ(フローラ)、里綾実(レイア)、吉井萌美(平成国際大)といったところ。矢野は現在の女子プロ野球でのナンバー1の先発投手。里も本来、先発がメーンではあるけれども、球威とキレ味鋭い変化球を武器に、今大会ではクローザー的な役割を担うのではないだろうか。マウンドに上がった時点で、エンジン全開でいけるフィジカル、メンタルも心強い。また、吉井は何よりも安定感がある上に左腕ということもあり、ワンポイントからロングリリーフまで重宝されるに違いない。

 野手陣ではまず、川端と三浦伊織(フローラ)のプロ2選手。前回大会を経験し、打力の高さは代表選手の中でも頭一つも二つも抜けている。川端の長打、三浦の出塁率の高さは他チームにとっても脅威であるはずだ。また、遊撃手と二塁手を任せられる出口の実戦向きなプレースタイルも見逃せない。決して派手さはないが、勝負どころでの存在感は抜群。投手と外野手兼任の新宮有依(侍)の潜在能力の高さ、西や石田悠紀子(新波)の破壊力あふれる打撃にも期待したい。

急速に拡大する女子野球の底辺

女子野球の選手数とチーム数の変遷。ここ4年で大幅に増加していることがわかる 【NPO法人女子硬式野球サムライ調べ】

 現在、日本で女子野球の底辺は急速に拡大している。硬式・軟式では別表の通りとなっており、ここ4年で競技人口は約6倍、チーム数は約2倍にまで伸びている(NPO法人女子硬式野球サムライ調べ)。

 この背景の一つとして10年から女子プロ野球リーグが誕生したということが挙げられるだろう。そういった現状の中で、自国開催のW杯も白球を追いかける女性にとっての大きな希望と目標、さらに明るくて太い光が射し込むことになるのではないだろうか。

 冒頭でいきなり「村の話」と書いてしまったけれども、今大会を機に、一気に「国民関心事」の一つになる可能性も秘めている。それだけ女子野球日本代表・マドンナジャパンはハイレベルだ!

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著者プロフィール

 1973年生まれ。東京都出身。立教高−関西学院大。高校、大学では野球部に所属した。卒業後、サラリーマン、野球評論家・金村義明氏のマネージャーを経て、スポーツライターに転身。また、「J SPORTS」の全日本大学野球選手権の解説を務め、著書に『ベースボールアゲイン』(長崎出版)がある。

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