故障明けでも快勝 錦織圭の魅力と素質=全米オープンテニス

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元女王を追い込んだ土居美咲

元女王のアザレンカから第1セットを奪い、勝利まで後一歩というところまで追い込んだ土居美咲 【写真:ロイター/アフロ】

 女子では、土居美咲(ミキハウス)がビクトリア・アザレンカ(ベラルーシ)に挑戦。今季のアザレンカは全豪オープン以後、足回りの故障が続いてほとんど結果を残せていない。見た目にも体重オーバーは隠せないが、過去全豪オープンで2度の優勝を飾った強打の持ち主だ。

 第1セット、土居が序盤にブレークチャンスをつかみ、アザレンカが必死にそれをかわす。アザレンカが第9、第11ゲームにブレークポイントを得ると、今度は土居が打ち合いを制して譲らない。土居が恐れず立ち向かうことで、自信薄弱のアザレンカにプレッシャーが掛かった。するとタイブレークで3本のダブルフォルトを引き出し、土居が先手を奪った。

 第2セットも先行してプレッシャーを掛けたかったが、惜しかったのは第1ゲーム。ダブルフォルト絡みで30−40とブレークチャンスをつかんだが、アザレンカには一発があり、元女王としての経験もある。ぐらつきながら要所でサービスエースをたたき込まれると、逆に第6ゲームで先にブレークされた。そこからはブレーク合戦になったが、もう1つ惜しかったのはアザレンカが5−4で迎えた土居のサービスゲームだ。40−15とリードしてから追いつかれ、2本目のセットポイントを決められた。ここを切り抜けていれば……あと一歩だった。

 セットタイにこんなシーンがあった。土居がトイレットブレークでコートを離れた間にアザレンカはボールボーイを相手に練習を始めた。こうした演出で観客を引きつけながらリラックスする……経験値の差が出たが、久々に土居らしい打ち合いの妙味を見た。

 男子では、ロジャー・フェデラー(スイス)、ダビド・フェレール(スペイン)、女子ではセリーナ・ウィリアムズ(米国)、ペトラ・クビトバ(チェコ)、ユージェニー・ブシャール(カナダ)など上位シード勢が勝ち進む中、15歳で世界ランク1208位のキャサリン・ベリス(米国)が、今年の全豪オープンで準優勝したドミニカ・チブルコワ(スロバキア)を倒すという波乱もあった。なお、初の本戦出場だった西岡良仁(ヨネックス)は発熱の影響で途中棄権した。

(文:武田薫)

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