「世界のセブンズシーンと日本の現在地」 岩渕GMと浅見HCが語る女子ラグビー

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提供:(公財)日本ラグビーフットボール協会

15人制と7人制で資質が異なる

他競技から転向した選手も多い女子セブンズ。男子に比べて状況把握には時間が掛かるという 【写真:YUTAKA/アフロスポーツ】

 休憩を挟んで行われた第2部では、第1部の講義に関する質疑応答を行い、15人制ラグビーと7人制ラグビーの違い、女子選手の強化について議論を深めた。

――半数くらいの方がこの質問だったのですが、15人制と7人制とで選手の棲み分けはどうするのでしょうか。岩渕さん。

岩渕GM 15人制と7人制に関してはいろいろな見方があると思いますが、1つの見方として、7人制はかなり専門性が高くなってきています。15人制の選手とはかなり体重が違ってきている。そうすると、プレーに求められる能力も違ってきます。一方で、日本が結果を残すためには、15人制に出ている選手をどうやって7人制でも使っていくのかは考えなければならない問題だと思います。

――20年の東京五輪に向けて、指導者は子どものうちに何をやらせておけばいいですか?

浅見HC ストレングスは、女子は思春期を迎えたところでだいぶ変わってきますので、そこはしっかり切り替えることが大切になる。しっかりトレーニングができる環境があって、年代に応じたトレーニングができているかというのは非常に大事だと思います。

――強化費捻出のためにも7人制ラグビーをメジャーにする必要があります。マスコミ対策、スポンサーへのアプローチで考えはありますか?

岩渕GM 7人制が五輪種目になって非常に注目をいただいています。特に女子は男子よりも、あるいは男子の15人制ラグビーよりもおそらく映像メディアに載せていただく機会が多くなっている。そういう意味では女子が昇格大会で勝って、アジア大会で勝ってシリーズを回ってという循環を作ることが、ラグビー界にとっての大きなポイントだと思っています。スポンサーに関しては、そういう流れの中で興味を持っていただいているところもたくさんあるという状況です。

女子選手の指導で気をつけること

――女子選手を指導する上で、気をつけていることはありますか?

浅見HC 私自身も選手でしたので、そこのところは男性がどう思われるか分かりませんけど、平等とかそういうところは割と女子選手の方が敏感かなと思います。距離感は、私がヘッドコーチになってからは少し気をつけるようにしています。

――技術的なことで気をつけていることは?

浅見HC 私は男子を指導したことがないので難しいところですが、おそらく男子の選手と比べると、状況を把握するのに時間がかかってしまう。もちろん他競技から転向した選手も多いので、すぐに飲み込んでパッとやれる選手はまだ足りないというのはある。そこを気を付けています。

――女子の世界大会は日本で開催できないのでしょうか?

岩渕GM これはやらないといけないことですね。考えていることはあるので……はい、動いています(笑)。

――リオ五輪出場の可能性は? 絶対に行けるのか。それとも少し厳しいのか。

岩渕GM 絶対に行きます。

――男子は間違いなく行く?

岩渕GM はい。それ以外の答えなくないですか(笑)。

――女子はどうでしょうか?

浅見HC そのために私がHCにいますので、絶対に行きます。

――浅見さんから女子ラグビーについて最後に一言。

浅見HC 9月にまた大切な大会がありますので、ぜひ皆様の応援を力にしっかりと結果を出していきたいと思います。引き続きよろしくお願いします。

浅見さんにとって7人制ラグビーとは?

浅見氏にとって7人制ラグビーとは「夢のような職業」だと話した 【スポーツナビ】

浅見HC 7人制がなかったら、いわゆる職業として成り立つことがなかったので、そこの部分では私にとっては本当に夢のような職業ですね。

 7人制ラグビーで世界に勝つために、やることはたくさんあるのですが、自分たちのやってきたことをどれだけ信じてやれるか、やりきれるかということだと思います。スピードもストレングスの部分でも世界とは差がある。何で勝つのかというと、“粘り強さ”だと思います。日本の女子サッカーや女子バレーを見ていても、“粘り強さ”は本当に精神的、肉体的な部分でもすごく強みになると思っていますので、自分たちがそれを強みだと思ってやり切れるかどうかっていうところはあると思いますね。

協力:(公財)日本ラグビーフットボール協会

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