IBF王者・高山、4団体制覇に挑む=8月のボクシング興行見どころ
駆け引きの小原vs.ハートの強さの岩渕
王者・小原佳太(写真は日本王者時代)と挑戦者・岩渕による8.11東洋太平洋S・ライト級王座戦はともにKO率の高い強打者同士の一戦となった 【共同】
11日はダブルタイトルマッチ。日本スーパーフライ級王者の戸部洋平(三迫)とWBA5位で16戦全勝9KOの石田匠(井岡)の初防衛戦も注目だ。小原と同じく国体2冠からプロデビューした戸部は、ここまで濃密なキャリアを歩んできた。2戦目で元世界王者ワンディ・シンワンチャー(タイ)、3戦目で後の世界王者・河野公平(ワタナベ)に勝利。5戦目で赤穂亮(横浜光)の東洋タイトルに挑戦し、8回TKOに敗れてからはやや低迷したが、今年4月、江藤大喜(白井・具志堅)との決定戦を9回TKOで制し、初戴冠を果たした。対する国体(ジュニア)優勝から17歳でデビューした石田は順調にキャリアを重ね、昨年9月、タイの世界ランカーを2回TKOで下して世界ランク入り。ともに左ジャブを軸に組み立てるが、出入りの戸部、アウトボクシングの石田と得意な距離が異なる。見応えのある技術戦が展開されるだろう。
世界王者・小関桃が世界タイトルV14戦
世界タイ記録となるV14戦に挑むWBC女子アトム級王者・小関桃 【t.SAKUMA】
同日2日の東京・足立区総合スポーツセンターは女子のダブル世界タイトルマッチ。IBFライトフライ級戦は地元出身の柴田直子(ワールドスポーツ)が1位アナ・アラソラ(メキシコ)を挑戦者に迎え、2度目の防衛戦を行なう。アラソラは主要4団体では、実に4度目の世界挑戦。31戦(20勝13KO9敗2分)とキャリア豊富なサウスポーを相手に柴田は力を示せるか。WBCアトム級戦は小関桃(青木)が2位デニス・キャッスル(イギリス)と14度目の防衛戦。女子の国内最多記録更新とともに世界タイ記録が懸かる。挑戦者は元WBCムエタイ王者だが、ボクシングのキャリアは2戦(2勝2KO)の42歳で実力は未知数。
その他、8月のタイトルマッチは新旧対決の構図。4日(後楽園ホール)の日本バンタム級戦は31歳で王者になった益田健太郎(新日本木村)が元東洋太平洋スーパーフライ級王者で世界挑戦経験のある冨山浩之介(ワタナベ)と初防衛戦。益田の真価が問われる一戦だ。10日(大阪・住吉区民センター)の日本スーパーウェルター級王座決定戦は元同級東洋太平洋・日本王者の野中悠樹(渥美)と初タイトルマッチの長島謙吾(角海老宝石)の顔合わせ。両者は尼崎ジムに所属したことがあり、元同門対決になる。18日(後楽園ホール)の東洋太平洋スーパーウェルター級王座決定戦は3月に引き分けた元日本ウェルター級王者の沼田康司(真闘)と下川原雄大(角海老宝石)の再戦。沼田は2本目のベルト、下川原は初のベルトを懸けて、決着のリングに上がる。