W杯“最低年俸の選手”が殊勲のゴール ロシア戦後、韓国報道は何を伝えたか?
アン・ジョンファン「彼に焼酎一杯おごる」
それは一体、どういう意味なのか。『スポーツ朝鮮』の記事によると、ブラジルW杯に出場している736選手中、もっとも年俸が低いのはイ・グノとのこと。現在、Kリーグの尚州尚武(サンジュ・サンム)FCという軍隊チームの所属であり、身分は軍人となる。つまり、兵役に就いた一般軍人と同じ月給で生活しているというわけだ。その金額は約15万ウォンと言われており、日本円に換算すると約1万5000円だ。
さらに、韓国テレビ局の『MBC』に解説者として登場した元韓国代表FWのアン・ジョンファンはイ・グノのゴールのあと「彼に焼酎一杯、おごってやらないといけない」と笑顔で話していた。
それほど、今回のイ・グノのゴールはインパクトがあったと言えるのだが、この試合で勝ち点1を得ただけで、グループリーグ突破は厳しい状況に変わりはない。
パク・チュヨンへの非難は高まる
メディアの見出しも刺激的で、
「英国メディア『パク・チュヨンがなぜW杯に出場したのか?』」(スポーツ韓国)など、そのほかのメディアも「欧州メディアがパクを酷評」との記事を書き並べている。
非難が集中するパクだが、言い返せば彼に対する期待も大きいと言えるだろう。ホン・ミョンボ監督は所属クラブで出場機会にあまり恵まれていないパクを代表に招集したことで批判を浴びていたが、先発出場させて結果を残せば国民も納得してくれるに違いないと踏んでいただろう。
パク・チュヨンを下げた理由については、「後半からスピードが落ちたので、イ・グノと交代を決めた」と話している。結果として途中出場したイ・グノがゴールを決め、采配が的中したことについては、ホン・ミョンボ監督の手腕を褒めるべきだろう。
ただ、交代出場したイ・グノがゴールを決めたのだから、パク・チュヨンにとっては悔しい結果だったに違いない。次戦はアルジェリアとの試合になるが、どちらが先発出場を果たすのかも見どころの一つになる。
また、韓国のグループリーグ突破の可能性について各メディアは「次戦のアルジェリア戦での勝利が絶対条件」と分析する。
確かにロシアを相手に得た勝ち点1は大きいが、最終戦が強豪のベルギーということを考えると、次のアルジェリア戦で勝ち点3を奪うことに集中しなければならない。
いずれにしても今大会、アジアのチームは1つも初戦を白星で飾ることはできなかった。8大会連続9回目の出場の歴史を持つ韓国には、アジアのプライドを懸けてグループリーグ突破を果たしてもらいたいものだ。