“ホーム”のため祖国と戦うエドゥアルド クロアチア代表ストライカーの特別なW杯
好感が持てる“ドゥドゥ”のエピソード
「ハートはクロアチアと共にある」と話すエドゥアルド(右)。開幕戦ではどのようなプレーを見せるのか? 【Getty Images】
「いいや、喜ばないよ。もちろん、その場の勢いでどんな反応をしてしまうか分からないが、現時点では喜ばないことに決めている」
チームメイトや友人から“ドゥドゥ”の愛称で親しまれているエドゥアルドは、非常に好感の持てる男だ。私は幸運なことに、先日ザグレブのホテルで2時間ほどインタビューする機会を得ることができた。私は彼が来るのを待ちながら、同じようにインタビューの約束を取りつけていたブラジル人のTVプロデューサーやカメラマンと雑談をしていた。そこで彼らに、何分くらいの撮影を予定しているかを聞くと、およそ30分だと答えた。だが、エドゥアルドは彼らの撮影に1時間半以上も協力し、インタビュー以外にも談笑していた。そしてようやく私の順番が回ってきた。すると彼は、私のインタビューにも時間を気にせずに付き合ってくれたのだ。だからこそ、彼が「ハートはクロアチアと共にある」と話したとき、それがリップサービスではなく真意だとすぐに感じ取ることができた。
ここが“ホーム”だと思えたから
だから彼のことを、自分のプロキャリアの都合だけを考えてクロアチアの市民権を取得した選手と見るのは間違っている。「そう考える人がいるかどうか分からないけど、間違いなくそうじゃないよ。興味本位の決断ではなかった。一晩で決めたことでもない。5年間ザグレブに住んだ末に出した答えだった。私はここが“ホーム”だと思えたし、クロアチアにはお世話になったから、こういう決断に至ったのさ」
だからこそ、「頑張れ、ドゥドゥ。W杯を楽しむんだ」と言ってあげたい。ところで、実はクロアチア代表メンバーには、ブラジル人がもう1人いる。ニコ・クラニチャール、ミラン・バデリ、イボ・イリチェビッチといった中盤の選手にけが人が続出したため、ブラジル生まれのジョルジ・サミール・クルス・カンポスが23名の代表メンバーに招集されることになった。27歳の攻撃的MFサミールはディナモ・ザグレブで7年間プレーし、現在はヘタフェに在籍。これまでに代表戦5試合に出場している。
翻訳:田島大(フットメディア)