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「最も悲しい日」となった代表発表
ファルカオ欠場を選択したコロンビア

監督もエースの復活を最後の最後まで待ったが……

6月2日にコロンビア代表の最終メンバーの発表を行ったペケルマン監督。しかしそこにファルカオ(右)の名前はなかった
6月2日にコロンビア代表の最終メンバーの発表を行ったペケルマン監督。しかしそこにファルカオ(右)の名前はなかった【写真:ロイター/アフロ】

「ラダメル・ファルカオがワールドカップ(W杯)ブラジル大会に出場しないことになった。近日中に記者会見を行う予定だ」。フランス『レキップ』紙がそう報じたのは、5月17日のことだった。「ファルカオはW杯までに自身のコンディションが100パーセントまで回復しないと判断した。ホセ・ペケルマン監督が発表した予備登録メンバー30名には名を連ねているが、代表チームのキャンプには参加しないという決断を下した」というのが報道内容だった。


 その前日、モナコの公式チャンネル『ASMonacoTV』は、ファルカオがチーム練習に参加する様子を伝えていた。映像の中でファルカオはドリブルやパスなどのメニューをこなし、軽いシュート練習すら行っており、「週を追うごとに状態は良くなっている。回復に向けたトレーニングを楽しんでいるよ」とのコメントにはW杯出場への希望も含まれていただけに、コロンビア国民の間に混乱が広がったのは想像に難くない。


 ファルカオの対応は素早かった。『レキップ』紙報道の翌日に『カナル・プリュス』のインタビューに応じ、次のように語ったのである。

「準備ができているかどうか、まだ明確なことは分からない。フィジカルコンディションを見ながら、数日中に決断を下すつもりだ」


 事実、ファルカオは24日にアルゼンチンに渡り、同地で行われているコロンビア代表のトレーニングキャンプに合流した。当初は完全別メニューだったが、徐々に全体練習の一部をこなすようにもなり、ペケルマン監督も「最終メンバーを決めるのは最後の日の、最後の瞬間まで待ちたい」とコメント。ファルカオの回復をギリギリまで待つ意向を示した。

続々と脱落者が見えた30人によるサバイバルレース

 別格扱いとなった絶対的エースを除き、その他の29人にはサバイバルレースが待っていた。代表チームは最初、コロンビアの首都ボゴタでトレーニングを行っており、欧州でのリーグ戦を終えた選手が続々と集結していったが、5月16日に帰国したMFマクネリー・トーレスが「バケーションのために帰ってきた。代表のメディカルチェックは受けない。監督からは選外になったことを既に伝えられている」と語り、最初の脱落者に。


 さらに5月21日には、コロンビア・サッカー連盟のルイス・ベドージャ会長の発言によってDFアキバルド・モスケラ、MFエルキン・ソトがチームから外れたことが明らかになり、残りの26人がアルゼンチンに渡ってファルカオと合流し、27人でトレーニングキャンプを行うことが明らかになった。

 そして5月28日には、MFエドウィン・バレンシアが「ケガを抱えており、100パーセントのコンディションが望めない」という理由でチームから離脱。5月末の段階で、メンバーは26人にまで絞られた。そしてFWルイス・ムリエルが脇腹を痛めており、またDFルイス・ペレアも両ひざの痛みを訴えるなど、コンディションに問題を抱える選手が多数いる中で、5月31日にセネガルとのトレーニングマッチに挑むこととなった。


 ファルカオがスタンドから見守ったこの試合は2−2の引き分けに終わったが、2トップを組んだテオフィロ・グティエレスとカルロス・バッカがそれぞれ1ゴールずつと結果を出し、エース抜きでも戦えることを証明した。

 両者はアトレティコ・ジュニオール時代にコンビを組んでいた経験があり、連係、補完性ともに相性は抜群。この頃、コロンビア国内では「ファルカオは一部の全体練習にも参加するなどコンディションは上々で、最終メンバー入りは濃厚。ただし初戦には間に合いそうもなく、チームが決勝トーナメントに進むことができれば、そこから重要な役割を演じることになるだろう」と報じられており、最終メンバー入りするかどうかに関係なく、ファルカオ抜きで戦う可能性が出始めていた。


 グティエレスとバッカ以外にもポルトで2シーズン連続の得点王に輝いたジャクソン・マルティネス、ヘルタ・ベルリンで二けた得点を挙げたアドリアン・ラモスと前線に駒はそろっており、彼らにとっては本大会で主役を演じられるチャンスが巡ってきた格好だ。

池田敏明

大学院でインカ帝国史を研究していたはずが、「師匠」の敷いたレールに果てしない魅力を感じて業界入り。海外サッカー専門誌の編集を務めた後にフリーとなり、ライター、エディター、スペイン語の翻訳&通訳、フォトグラファー、なぜか動物番組のロケ隊と、フィリップ・コクーばりのマルチぶりを発揮する。ジャングル探検と中南米サッカーをこよなく愛する一方、近年は「育成」にも関心を持ち、試行錯誤の日々を続ける

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