スポーツライフに欠かせない登山 「松原渓のスポーツ百景」

松原渓

五感を刺激する自然のアートを楽しむ

美味しそう!? 【松原渓】

 土を踏みしめる足の裏の感覚、ひんやりした岩の手触り、林道の苔むした匂いなどは、美しい記憶として残っている。今でも、ふとした時にそういう記憶が蘇ってきて、山が恋しくなる。その後、10代から20代前半にかけては学校の部活や受験で山と疎遠になってしまったが、今でも時々登っている。小さいころは山の冒険を楽しんでいたが、今は、周りの景色を楽しむ余裕もできた。歳を重ねるほど、山の良さが身にしみて分かるようになってきた気がする。

冬から春へ 【松原渓】

 山には、五感を刺激する自然のアートがある。生い茂った緑、緑からのぞく朝日、切り立った地形。川のせせらぎ、湧き水の流れる音、鳥のさえずり、葉を揺らす風の音。特に季節の変わり目は無性に山に登りたくなる。春は木々が芽吹き、夏は新緑が爽やかで、秋は紅葉が美しく、冬は白銀の世界。同じ山も四季で表情を変える。そして、高いところにしか咲かないような可憐な花や、鹿や雷鳥などの動物が楽しませてくれる。

東京でオススメの山

 私が登った中で、オススメの山を紹介したい。今回は「東京の山」編。

・高尾山(八王子市/599m)
 関東近郊の山で最も有名なこの山。都心から電車で1時間とアクセスが良く、日帰りもできるので、短い休みでリフレッシュしたい人には最適の山と言える。コースは1〜6号路と稲荷山ルートがあり、それぞれに違った景色、道が楽しめる。

 行く際はぜひ、ご当地グルメの「とろろ蕎麦」を。ただし、近年の山ブームもあり、テレビや雑誌でも度々特集されているため休日はかなり混雑している。若い女性も増えているが、ヒールのついた靴などで登るのはやめましょう。

・城山(八王子市/670.3m)
 東京と神奈川の境にある、670mの山で、高尾山に隣接している。私が初めて自力で登ったのはこの山で、1歳1カ月の時だというからもちろん覚えていないが、その後もよく連れて行ってもらった記憶がある。

 高尾山に近いのでセットで登ることも可能で、日帰りで登山を楽しみたい人にオススメ。元旦には初日の出を見る穴場スポット(高尾山は混雑するため)としても人気だそう。

・雲取山(奥多摩町/2,017m)
東京で最高峰の山。東京都と埼玉県と山梨県の県境にある。日本百名山のひとつにも指定されていて、登る際は、本格的な登山スタイルが必要だ。晴れた日には山頂から新宿都心の高層ビル群も見える。山頂付近にある雲取山荘は通年利用できる。以前、仕事のロケで行ったことがあるが、「東京で一番天国(空)に近い場所」という同行スタッフの言葉がとても印象に残った。

 「生涯スポーツ」として年齢問わず楽しめるのも、山の魅力だと思う。実際、山ですれ違う人たちは老若男女問わず幅広い。私の父方の祖母は、80歳を超えても一緒に山に登っていた。私も、そういうお年寄りになりたいな、と思う。今年の夏は、尾瀬に行きたいと思っている。

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著者プロフィール

サッカー番組のアシスタントMCを経て、現在はBSフジにて『INAC TV』オフィシャルキャスターを務める。2008年より、スポーツライターとしての活動もスタート。日テレ・ベレーザの下部組織であるメニーナのセレクションを受けたことがある。『キャプテン翼』の原作者である高橋陽一先生が監督を務める女子芸能人フットサルチーム「南葛シューターズ」にて現在もプレー。父親の影響で、幼少時から登山、クロスカントリー、サイクリングなど、アウトドア体験が豊富。「Yahoo!ニュース個人」(http://bylines.news.yahoo.co.jp/matsubarakei/)でも連載中

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