日本代表を「選んだ」若き逸材 南アフリカで進化した松島幸太朗
「W杯で勢いをつけてスーパーラグビーへ」
昨季途中からサントリーに加入。将来的にはスーパーラグビーを目指す 【斉藤健仁】
遠征後の12月、松島はサントリーに入団を決めた。トップリーグへの正式な登録は今シーズンからだが「日本代表に選ばれたこともあり、距離の問題もあったので、やるからには強いチームでプレーしたいと自らサントリーにお願いした」と帰国した理由を語った。
それでも、心の中にある思いは大きくなるばかりだ。「一緒にプレーしていた選手が、すでにスーパーラグビーのリザーブとして出場している。ワールドカップ(W杯)に出場して、勢いをつけてスーパーラグビーで活躍したい!」。そう語る21歳の青年の目は高校時代とは違い、自信に満ちあふれていた。
「若い選手たちはライバルというか仲間です」
ジョーンズHCは松島について「一番の強みはランニング」と語る 【斉藤健仁】
日本代表は5月3日のフィリピン代表戦から始まる「アジア5カ国対抗」で優勝すれば、南アフリカ代表とも対戦する来年のW杯出場を決める。松島は「そこまでW杯は意識していませんが、日本代表のプライドを持って試合に出て、成長した姿を見せたい。カウンターが得意ですし、一番、自分を出せるのはFBだと思いますが、WTBもやりながらスキルを磨いていきたい」と意気込んだ。初キャップも時間の問題であろう。
松島が大学に進学していれば4年生であり、日本代表スコッドのLO小瀧尚弘、SH流大(ともに帝京大4年)、一浪して進学したWTB福岡堅樹(筑波大3年)とは同年代で、藤田、石井の一つ上の学年にあたる。自国開催の2019年W杯は、もちろん中心選手となりうる。「2019年のW杯にも出場したい。若い選手たちはライバルというか仲間です。一緒になって日本代表を引っ張っていかなければいけないと思う」(松島)
かつて花園を沸かせた選手たちが大きく成長し、日本代表でも輝きを見せることができるか。若手の台頭が2015年だけでなく、2019年のW杯の成功にもつながっていく。南アフリカで一回りも二回りも大きくなった松島が、エディージャパンのエースの座を虎視眈々と狙っている。