国王杯が暗示したレアルとバルサの行く末 スペインサッカー界は新たな時代へ

11年ぶりの公式戦3連敗……暗黒時代の到来か

11年ぶりの公式戦3連敗。無冠の可能性が高くなり、サイクルの終焉を印象づけたバルセロナは「暗黒の時代」に突入してしまうのか 【Getty Images】

 一方、1週間前に行われたCL準々決勝セカンドレグのアトレティコ・マドリー戦から、これで公式戦3連敗を喫したバルセロナ。同クラブの公式戦3連敗は、現オランダ代表のルイス・ファンハールが監督を務めていた2003年1〜2月以来、実に11年ぶりのことになる。(※ファンハールは2連敗した後で解任された)
 当時のバルセロナは、後のジョゼップ・グアルディオラ監督時代の黄金期と比較して「暗黒時代」と呼ばれたが、この1週間ほどのバルセロナはまさに暗たんたる時間を過ごすこととなった。辛うじて3試合連続ノーゴールという“大惨事”は免れたものの、最近2つの敗戦同様、先行きの見えないまま敗れ去った後に残ったのは将来への不安しかない。

『スポルト』(カタルーニャ系スポーツ紙)は翌日の一面で「このサイクルは打ち止め。新たなサイクルが始まった!」と見出しを打ち、“サイクル終焉論”を自ら支持した。そして、試合後の採点で10点満点中5点を上回る評価を与えたのは、ハーフタイムに負傷交代したジョルディ・アルバ(6点)ただ1人だった。シャビ、リオネル・メッシ、セスク・ファブレガスの3人に至っては、3点という極めて厳しい判決を下している。また試合直後に同紙で行われた読者アンケートでは、残された唯一のタイトル、リーガ・エスパニョーラの逆転優勝を支持するファンが1割しか存在しなかった。

 ビクトル・バルデス、ジェラール・ピケの離脱が大きなハンデとなっていたのは確かだろう。しかしこの日のバルセロナに必要だったのは、タイトルとともに、傷ついた自尊心を回復するためのきっかけだった。選手入場時、バルセロナのファンが陣取るゴール裏で掲げられた横断幕に書かれていたのは、クラブの応援歌「イムノ」の一節。「勇敢に叫べ、バルサ、バルサ、バールサ!」と印字したファンの想いは、バルセロナの選手としての誇りと気概を示してほしいというものだった。だが、期待されたメッシはこの日も沈黙。効果的なシュートは1つもなく、敗れたチームは傷口をさらに広げることとなった。バルトラと同じくキックオフ1時間前に医療スタッフから出場許可を受けたカルレス・プジョルがピッチに立てていれば、という「たら・れば」も今となっては後の祭りだ。

今、バルサが必要としているのは

 バルセロナはこれで、07−08シーズン以来6シーズンぶりに主要タイトルを1つも獲得できない可能性が高くなった。今週からはヘラルド・マルティーノ監督の去就問題が大きく報じられるようになったが、解決すべき問題はそれだけではない。ネイマールの移籍オペレーションによる訴訟問題、先日FIFA(国際サッカー連盟)から命じられた移籍禁止処分への対応など、ピッチ外部のトラブルも依然として解決の糸口が見えないままで、来季のチーム構想にもブレーキがかかったままだ。

 はたして、バルセロナにこの危機を乗り越える体力は残されているのか。あるいは、再び「暗黒時代」へと落ちていくのか。現時点で、それを予想できる者は誰1人としていない。ただし、07−08シーズンの失敗を受け、新たにトップチームの監督に就任したのはグアルディオラだった。今、バルセロナが必要としているのは、まさにグアルディオラのような救世主なのかもしれない。

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著者プロフィール

1984年生まれ、徳島県生まれ。マニュアル制作会社に勤めた後、2011年夏からフットメディアに所属。J SPORTSのプレミアリーグ中継や『Daily Soccer News Foot!』などに関わり、ライター・翻訳をメインに活動する。学生時代にはバルセロナへ1年間留学。ルームメイトがアルゼンチン人だったこともあり、南米コミュニティーのなかでフットボールのイロハを学べたことが今の財産。

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