大仁田と貴闘力のデスマッチ対決実現へ カード決定後初の対峙で乱闘寸前に

リアルジャパンプロレス

貴闘力と大仁田厚の因縁とは?

大仁田と貴闘力はカード決定後初の対峙で乱闘寸前に 【(C)リアルジャパン】

 4月11日、都内・興義館でリアルジャパンプロレスが記者会見を開催。5日後に迫った『STRONG STYLE RETURNES PROJECT』代々木第2体育館大会を前に、貴闘力と大仁田厚が久々に対面を果たした。

 プロレスデビュー戦に向けて激しい練習を積み、万全の状態で決戦に臨もうとしている貴闘力。自らをハードトレーニングに駆り立てているのは、大仁田への恨みに他ならない。昨年の9月大会で、リングサイドで試合を観戦していたところを邪道軍が急襲。凶器攻撃に遭い担架送りにされ、背骨にヒビが入るほどの重傷を負い、悔しい思いを味わった。

 さらに、大仁田は貴闘力が経営する『焼肉ドラゴ』に押し入り、無銭飲食(約5万円、10人分相当)を強行した。

 度重なる挑発に怒り心頭の貴闘力は、12月大会で逆襲に転じ、大仁田を有刺鉄線バットを用いて奇襲。これにより、決戦ムードが高まり、今大会で貴闘力&鈴木みのるvs.大仁田&矢口壹琅の一戦が決定した。今回の会見で2人が顔を合わせるのは12月大会以来、4カ月ぶりのことだった。

ルール決定権は大仁田サイドが獲得

昨年12月には貴闘力が大仁田を襲撃 【t.SAKUMA】

 対戦自体は合意に至ったものの、懸念されていたのがルール問題だ。大仁田は電流爆破マッチを要求していたが、会場の都合によりそれは実現不可能。貴闘力は「どんなルールでも飲む」という姿勢を見せていたが、プロレスデビュー戦ということを団体側も考慮しており、今日の時点では決定に至らず。シビレを切らした大仁田サイドが「殴り込み」を予告したことを受けて、今回の記者会見がセッティングされた。

 有刺鉄線バットを持ち、臨戦態勢で現れた矢口は「貴闘力さんよ。試合形式が全然決まらねえじゃねえかよ。怖いのか?」と凄んで見せたが、大仁田は至って冷静だ。「話し合いに来たんだから、座ろうよ」と矢口を引かせて、貴闘力&初代タイガーマスクと向き合った。

 まず大仁田は「元はと言えば、お前らが2人で俺の悪口、陰口を叩いてそこから始まったんだろ? ちょっと筋道を考えてくれよ」と指摘。大仁田が昨年の9月大会で狼藉を働いたのは、確かにその直前に初代タイガーが行ったリング上のあいさつで、貴闘力と大仁田について話したと明かしたのがキッカケだった。

 とはいえ、それで貴闘力をリンチすることが許されるわけがない。相撲の世界から追われた貴闘力が、一念発起して懸命に経営してきた『焼肉ドラゴ』での無銭飲食に至っては、立派な犯罪だ。大仁田の軽はずみな発言に激怒した貴闘力は、胸倉につかみかかると、慌てて初代タイガーが止めに入った。話し合いをするはずの会見場は、早くも不穏な空気に包まれる。

大仁田の心理戦によりデスマッチ決定的に

【(C)リアルジャパン】

 大仁田はここでやっと本題のルール問題に移る。「電流爆破をやるのか?」とあえて挑発的な発言をした大仁田は、会場の都合によりできないと知るや、「じゃあ、何をやるんだ?」と詰め寄った。

 初代タイガーは「何でもやってやろうというのが親方の考え。とにかくお前をぶっ潰すことしか考えてないから」と貴闘力の思いを代弁するが、大仁田がそれでも「ルール」について何度も詰問すると、再び貴闘力が激怒。「この野郎! いいよ、水曜日に来い。めった打ちにしてやるから」と叫んだ。

「話し合いってこんなもんか? こんなもんで呼んだのか? ケンカじゃないんだから。話し合いに来たんだ。俺らはいい大人なんだから」と不敵な表情を見せた大仁田は、リアルジャパンプロレスの平井丈雅代表に「何でもいいんだな? 本当だな?」と何度も確認し、言質を取りに行く。さらに、大仁田は平井代表にしつこく噛み付き、貴闘力を苛立たせた。

 これらは全て大仁田流の仕掛け。貴闘力を執ように挑発して心理戦を仕掛けているのだろう。そして、「俺らのやり方でやっていいんだな? よし、本当に言ったぞ。聞いたな? 事務方、それでガタガタするなよ」とどんな無謀なルールでも押し通せる状況を作ってしまった。これにより、両者がデスマッチで対戦することは避けられない情勢となった。

勝敗の鍵を握る鈴木みのるの存在

【(C)リアルジャパン】

 しかし、そんな大仁田の表情が唯一曇ったのが、鈴木みのるの名前が出た場面だ。大仁田が「それから、鈴木みのるって何だよ?」とつぶやくと、それを見逃さなかった初代タイガーが「一番嫌なのか? 嫌なのか? 怖いのか?」と逆挑発。大仁田は「お前(初代タイガー)が出てくるのが筋だろ? それをなんだ、鈴木みのるって」と言い返すと、すぐに話を切り替えていた。

 会見場を去る直前、大仁田は「プロレスはそう甘くねえぞ。おい、なめんじゃねえぞ」と宣言。ケンカ流をアピールする貴闘力への返答とも言えるこの発言を聞くと、再び一触即発のムードとなり、慌てて初代タイガーと矢口が両者を引き離した。

「16日はお前の最初で最後(の試合)だよ。ハハハハ! おい、プロレスをなめるなよ」と高笑いを浮かべながら去っていった大仁田。対する貴闘力はぶ然とした表情で「いつでも来いって言うんだよ。今でもやったろか?」と吐き捨てるしかなかった。

貴闘力は相撲で培った張り手でのKOを予告

4月16日にプロレスデビューする貴闘力 【(C)リアルジャパン】

 完全にスイッチの入ってしまった貴闘力は、希望する試合形式を問われても、「だってもう、ボコボコにすればいいことでしょ? 殴ったり、蹴ったりして」と意に返さず。大仁田が得意とする火炎攻撃に関しても「消化器を持ってきておいて」と問題ないことをアピールすると、「俺の張り手で何回病院送りにしてると思う? 俺の張り手の強さってわかるでしょ?」と張り手によるKOを予告した。

 コーチであり、参謀役でもある初代タイガーは貴闘力の実力を改めて高く評価すると、「秘密兵器もあります。ただ、大仁田は知らないから言えないですけどね」とニヤリ。大仁田が唯一気にしていた鈴木の存在についても「鈴木選手がいることによって、親方はかなり自由に展開できると思うんで、思う存分、やれることになると思いますね」とプラスに働くであろうと語っていた。

 とはいえ、大仁田流の心理戦を仕掛けて挑発を繰り返した大仁田が、ルール問題でも有利な立場となったのは紛れもない事実。「プロレスを舐めるなよ」という発言の裏には強烈なプライドがあるだけに、当日は“何でもあり”で襲いかかってくるだろう。一両日中にも最終的な試合形式が決定する見込みだが、大仁田は自分たちが最も得意とする、自分たちに最もプラスに働く条件を選ぶのは確実だ。

 これまでは乱闘という形だったが、いよいよ貴闘力はリング上で“邪道”と相対することになる。予測不能の両者の対決。果たして軍配はどちらに上がるのか?
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