国際的な威信を懸けて戦うバルセロナ ラ・マシアは何を追求するべきなのか?
“模範的とまで言える育成”の先に成功を求めすぎたバルセロナ
フットボール界の先駆者となり、多くのクラックを輩出してきたラ・マシアの進むべき道とは……フットボールは岐路を迎えたのか 【Getty Images】
ラ・マシアにおいて素晴らしい、模範的とまで言える育成が行われてきたのは事実だが、彼らはその過程において成功を求め過ぎ、またグレーな部分を手つかずにし続けてきたことを認識すべきだ。
“ラ・マシア”はバルセロナそのものをも超える存在!?
ラ・マシアの成功は、バルセロナそのものをも超える存在となってしまったのかもしれない。その素晴らしく健全な育成システム、そしてピッチ上で見られる近年の輝かしいプレーは、世界中からラ・マシアに集められた子どもたちとその親に「バルセロナか無か」の二択を迫り、他の選択肢を奪い取ってしまっているのだ。
これは既にバルセロナの枠を超えた問題となるが、はたしてフットボールはどこへ向かおうとしているのだろうか? アフリカやアジア、南米の親たちが自分たちの子どもをフットボール選手にすべく、既存の生活環境を捨てて外国へ移住したり、まだ幼い少年を1人外国へと送り出したりする。そこまで彼らを駆り立てるものとは一体何なのだろうか?
こうした議論が示すこと。それはつまり、既にフットボールが子どもたちのボール遊びではなくなってしまった、という悲しい事実である。