世界一になったリトルなでしこが喜びの声=U−17日本女子代表 優勝報告会見

スポーツナビ

U−17女子W杯(コスタリカ)で世界一を勝ち取ったU−17日本女子代表『リトルなでしこ』 【スポーツナビ】

 サッカーのU−17日本女子代表が7日、初優勝を飾ったU−17女子ワールドカップ(W杯)コスタリカ大会から帰国し、都内ホテルで優勝報告会見を行った。

 女性として初めて『リトルなでしこ』を率いた高倉麻子監督は「私たちはU−17W杯で選手21人、スタッフ、心を一つにして優勝を勝ち取ることができました。非常に誇らしく思います」と喜びのコメント。また今回の優勝の要因については「選手の頑張りはもちろんですけど、長い間、選手の育成に関わってくれたたくさんの方々のおかげ」と、育成スタッフに感謝すると、「今後選手には、未来に向かってより一層、自分自身の力で育っていって欲しいと強く思いました」と、さらに上のカテゴリーでの活躍を期待した。

 大会MVPを獲得した主将のMF杉田妃和は「このチームが始まって約1年で、W杯優勝という結果で終えることができて本当に良かったです」とコメント。また、「この優勝という結果に満足せず、自分のチームに帰って、この大会で出た自身の課題を修正し、次のカテゴリーに残れるよう日々努力していきたいと思います」とさらなる成長を誓った。

以下、優勝報告会見のコメント。

高倉監督「心を一つにして優勝を勝ち取れた」

優勝報告会見に臨んだ(前列左から)上田団長、高倉監督、大会MVPを獲得したMF杉田 【スポーツナビ】

登壇者:上田栄治団長、高倉麻子監督、U−17日本女子代表21人

上田団長 おかげ様でコスタリカで優勝することができました。日本らしい、攻守に主導権を取ったいいゲームだったと思います。これも高倉監督をはじめ、選手、スタッフ一丸となってやった結果だと思います。この大会の優勝をスタートや通過点とし、選手もスタッフも(フル代表である)なでしこジャパンでのW杯優勝を目指して欲しいと思っています。

高倉監督 私たちはU−17W杯で選手21人、スタッフ、心を一つにして優勝を勝ち取ることができました。非常に誇らしく思います。この結果を出せたのは、選手の頑張りはもちろんですけれど、長い間、選手の育成に関わってくれたたくさんの方々のおかげだと思っています。選手はこれまで、自分の努力で育ってきましたが、今後選手には、未来に向かってより一層、自分自身の力で育っていって欲しいと強く思いました。
 W杯の1戦1戦の中で、選手たちは課題を見つけながら、真面目に、真摯に取り組んで一つひとつクリアしながら、なんとか決勝戦でも非常によいパフォーマンスを見せて、重圧を乗り越えて、この結果を出してくれました。
 ベンチで見ていても非常に頼もしく感じました。このなでしこの心というか、戦う気持ちというのは、本当に女子サッカーが始まった30数年前から培われてきているものだと思います。選手たちもその気持ちを前面に押し出して、戦ってくれましたので、今後なでしこの未来もこの選手たちが中心になって、より高いものに女子サッカーを引っ張ってくれると信じています。

――大会を制した要因は?

高倉監督 このチームは非常に結束力が高く、自分のため、チームのために、お世話になった人たちのために、戦うということを強く選手一人ひとりが思い、それをグラウンドで表現してくれたからだと思っています。

 またグラウンド上でのことだと、私自身は攻撃的にサッカーをやりたいと思っていて、そのために守備の調整といいますか、チームとしての約束事を選手に積み上げてきました。その中でよい守備の形から選手が自由に、選手間や1人の選手を見ながら、2人の選手を見ながら、今というチャンスのときには思い切って攻撃に参加していこうという、いろんなところから攻撃することができました。いろんな選手が得点を取ることができたというのが、日本の強みだったと感じています。

杉田妃和主将 このチームはチームワークがいいので、21人とスタッフがひとつになり、1試合1試合を全員でしっかり戦えたことが優勝までいけた要因だと思います。

――女性初の代表監督として、W杯を制したという意義は?

高倉監督 私がU−16の監督に就任させてもらえたとき、女性初の監督ということでいろいろ言われましたが、私自身は選手としても国際大会を長く経験した中で、多分、経験は浅いですが、指導者としての道を歩んで、いろんなことを感じたり、勉強する中で、精いっぱい選手にぶつかっていこうと感じました。

 また必ず選手たちを世界一の場に連れて行きたいという強い思いがありましたので、その意味では選手たちが予想をはるかに超えて、非常に前向きに取り組んでくれました。W杯中でも1試合1試合成長してくれて、私の思いにしっかり付いてきてくれたなと思います。私の力というわけでなく、本当に選手たちの力、今まで選手を育ててくださった方々の力の結束がつながったと思います。

杉田主将「MVPが取れたのはみんなで戦えたから」

女性の日本代表監督としてチームを初の世界一に導いた高倉監督は「非常に誇らしく思います」と喜びを語った 【スポーツナビ】

――杉田選手は大会MVPを取ったが、この成果を振り返ってみて?

杉田 主将をやっていましたが、あまり主将らしいことをやっていない気がします。本当にみんな協力的で、試合でも自分が引っ張られたところがあるので、MVPが取れてうれしかったですけど、取れたのはみんなで戦えたからだと思うので、まずはチーム全員に感謝したいです。

――これから東京五輪などがあるが、この世代をどのように強化していきたいか?

上田団長 2020年の東京五輪、2023年にW杯のホストに立候補することになるのですが、そこに対する強化ということでは、やはりこの選手たちがU−17の世界大会で優勝したということは、下の年代からの育成が順調にいっているかなと思います。
 この育成を充実させていくことが大事だと思いますし、特別に何かをやっていくというよりは、今あるものをより質を上げていくこと。また高倉さんのような女性の監督がどんどん現れてくるようにと思っています。

――次の目標は?

高倉監督 とにかく日本の女子サッカーを、さらには世界の女子サッカーを、今大変盛り上がってきていますが、今以上に、より高いところに、日本が上り詰めるために、また世界の女子サッカーが普及していくために、自分の持っているものを使えればいいなと思っています。

杉田 この優勝という結果に満足せず、自分のチームに帰って、この大会で出た自身の課題を修正し、次のカテゴリーに残れるように日々努力していきたいと思います。

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