日本代表、「サプライズなし」の理由 15年W杯に向けたメンバー発表
稲垣、小瀧らが初選出
194センチの長身を生かしてラインアウトのボールをキャッチする帝京大・小瀧 【写真は共同】
ただ「今いる選手たちよりも、ポテンシャルがあると思ったら新たに招集する」とも明言していたジョーンズHC。お眼鏡にかなったのは、2冠に輝いたパナソニックで全試合に出場し、TLの「ベスト15」に輝いたルーキーのPR稲垣啓太だ。「すばらしいタックラーです。ただしサイズを大きくしないといけない」と高い評価を受ける。昨秋から代表に選出されているFL堀江恭佑(ヤマハ発動機)と、2人のTL「新人賞」が選出されたことは、リーグの意義を高める。
もう一人は、サントリーではWTBでも活躍し、「走るコースとセンスが良い」(ジョーンズHC)という村田大志だ。育成選手の牧田旦(帝京大4年)と合わせて、やはり、手薄なアウトサイドCTBとしての選出だ。WTB/FB藤田慶和(早稲田大2年)、昨秋のスコットランド戦で2トライを挙げたWTB福岡堅樹(筑波大2年)、WTB/FB松島幸太朗(サントリー)、育成選手のWTB石井魁(東海大2年)も含め、得点に直結するポジションには、ポテンシャルの高い若手が多いのもエディー・ジャパンの特徴。連続攻撃でほころびた相手のディフェンスの穴を、しっかりと突いてトライを挙げられる選手がW杯のピッチに立つはずだ。
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土台となるスクラム、ラインアウトは向上し、世界の強豪と見劣りしなくなった。「ラグビー界のiPhoneになる」、「サッカーのバルセロナのようなラグビーを目指す」と言い続けてきたジョーンズHC。選手たちにとって、W杯に向けてセレクションのような試合が続くが、どんな強豪と対戦してもトライが取り切れるよう、攻撃の精度により磨きをかけて、結果でサプライズを起こす。
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