町田、個人戦では「宇宙まで飛んでいけたら」=フィギュア団体戦 最終日コメント

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団体男子フリーの演技を終え、高橋大輔(左上)らチームメートにねぎらわれる町田樹(左下)=ソチ 【共同】

 ソチ五輪フィギュアスケートで新採用された団体戦の最終日が現地時間9日、当地のアイスベルク・パレスで行われ、日本は5位でメダル獲得はならなかった。
 最終日には男子フリーに町田樹(関西大大学院)が登場し、165.85点で3位。続いて女子フリーの鈴木明子(邦和スポーツランド)が112.33点で4位、ラストのアイスダンスフリーダンスではキャシー・リード/クリス・リード組(木下クラブ)が76.34点の5位だった。

 以下は、町田、鈴木、リード組のコメント。

町田、悔しさあるも「鳥と僕が融合できた」

「20年間憧れた五輪という舞台に来て、せっかく来たのに今シーズン一番弱い自分が心の底から現れてきました。そんな弱い自分との勝負だったんですけど、そういう弱い自分を封じ込めて、舞台には立てたと思います。今日のパフォーマンスは決してベストじゃなかったし、課題もいっぱいあるんですけど、初五輪ということを考えれば合格点を与えられるパフォーマンスだったと思います。ただ日本チームのメダルということを鑑みたとき、僕が絶対に1位を取っておかなくちゃいけなかった。それを達成できずに、悔しいですし、申し訳ない気持ちでいっぱいです。
(弱い自分はいつ現れた?)今朝の練習からですね。大丈夫かなというのがあって、会場も異様な雰囲気でした。プルシェンコ選手の後だったので、本当に足がすくんだというか、このままだとまずいと直前まで思ったんですけど、なんとかコールされてからの1分間で気持ちを落ち着かせてスタートポジションに立ちました。そしてこの青い舞台でストラヴィンスキーの崇高な『火の鳥』がかかった瞬間に、なんか僕の精神が落ち着いて、火の鳥と僕が融合できたような精神状態になったので、4分半気持ち良く余計なこと考えずにできました。

(2つ目の4回転について)4回転については絶対的な自信が1本目も2本目もあったんですけど、やっぱり緊張でしょうね。軸が少し太くて、空中分解してしまいました。そこで動揺があったんですけど、その後も落ち着いてパフォーマンスすることができました。ただあのミスによってトリプルのコンビネーションが1本無駄になったので、それでちょっと点がシーズンベストより低くなってしまったんですけど、この借りは個人戦で返します。

団体戦で演じるのは『火の鳥 再臨編』!? 【Getty Images】

(12年12月のGPファイナルの火の鳥とはどれくらい違った?)今回はもちろん1位を狙っていたんですけど、余計なことを考えずにプログラムを楽しむことができたかなと思っています。あんまり疲れなかったです。本当に気持ち良く滑れました。プレッシャーはありますけど、全日本とかGPとかそういうプレッシャーとは違くて、とても良い経験でした。楽しかったです。

(衣装は変えた?)せっかく2回、火の鳥を踊る機会があるので。僕は題名をつけているんですよ。1回目は『火の鳥 再臨編』、そして個人戦が『火の鳥 大飛翔編』です。ソチであったGPファイナルの大敗があったので、もう1度ここに僕の火の鳥を再臨させるという意味でこの1回目の火の鳥を演じたつもりです。そして次は聖火とともに宇宙まで飛んでいけたらいいと思います。

(今日の火の鳥の燃焼度は?)燃焼してないです。0パーセントです。まだまだ個人戦がありますから。全力は尽くしましたし、とても気持ちが良かったですし、あとは次の大飛翔編にすべてを懸けます。
(団体戦ということで何か違った?)羽生選手が良いパフォーマンスをして追い風を吹かせてくれたし、日本もメダルに手が届く位置にいたので、他の国のライバルよりも自国の選手に最大のプレッシャーをかけられるという変な気持ちを味わっていたんですけど、いざ氷に立ってみると、大西コーチの後ろに日本の席があって、みんな温かく見守ってくれたので、すごく心強かったです。団体で良い演技をしなきゃみんなに迷惑をかけるとか、失敗したら日本に帰れないとかいう変なプレッシャーはいっさいなかったです。本当にコーチはじめ日本の選手、日本国民に勇気をいただきました。

(プルシェンコへの声援がすごかったが?)それでも羽生選手は彼を抑えています。ロシアに絶対的に君臨する皇帝ですから、僕も彼を抑えたいという気持ちが強かったんですけど、それがかなわなくて悔しいです。

(個人戦の前に一度五輪の舞台を味わえたが?)今日の反省点は必ず個人戦に生きますし、一度舞台に立てたのは良いことだと思うんですけど、個人戦につながるつながらないよりも五輪というすごい舞台に1回でも多く立てることに喜びを感じています。

(大飛翔するために個人戦までどうする?)ノーミスにしたいとか、メダルを取りたいとかそういう気持ちはありますけど、いままでやってきた積み重ねを日々同じように淡々と準備をしていくに尽きると思います。特別に練習を頑張るとか、なんか秘策があるとかはなくて、いままでの積み重ねを残りの日々も続けていくだけだと思います」

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