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モータースポーツの更なる普及への提案
赤井邦彦の「エフワン見聞録」第21回

モータースポーツのビジネス面が知りたい!

東京オートサロンの際、ホンダのブースに掲げられたメッセージボードには、ホンダの伊東社長、トヨタの豊田社長らの意気込みが書き込まれていた。
東京オートサロンの際、ホンダのブースに掲げられたメッセージボードには、ホンダの伊東社長、トヨタの豊田社長らの意気込みが書き込まれていた。【AUTOSPORTweb】

 毎年この時期になると各自動車メーカーは今年のモータースポーツ活動を発表するが、大方当たり障りのない発表で、ドライバーの顔見せのようなものになっている。私はこのやり方が大嫌いというか、自動車メーカーという企業が行うのであれば、もっと他にやり方があるだろうとずっと思ってきた。


 自動車メーカーのモータースポーツ活動は、ひとつやふたつの要素を満たすために行う活動ではない。もちろん商品である自動車の販売を促進するために行う事業であるという根源的な理由はあるが、そのための手段としては他にいくつも方法があり、「うちは今年こんな活動をします」という発表だけで済ますわけにはいかないと思う。そこで、これまでの考え方を捨て、新しいアプローチで発表会を行ってみてはどうか? つまり、モータースポーツのビジネス的側面を、もっと詳らかにするのだ。

自動車メーカーがレースをする理由

 例えば、参加を決めたレースはいかにして選ばれたか、選択されたレース・カテゴリーをどう使うか(そのレースが参加するに足りるカテゴリーである理由、そのレースを使っていかなるPR、広告、マーケティングをするか、またその実際の方法)、そのレースに適応した技術は何か(そのレースにこの技術を投入する理由は何か)……といった項目を挙げ、それらの項目に関与する人物に発表会の場で説明してもらったらどうかと思う。これまでのように技術関係の担当者ばかりでなく、宣伝、販促、マーケティング……といった部門からも担当者に登壇してもらい、参加を決めたレースに関して語ってもらうのだ。さらに財務担当者に必要経費とそれを使った時の対費用効果などを説明してもらえば、自動車メーカーがモータースポーツ活動を行う真の理由が伝えられるのではないか、と思う。

専門誌以外も巻き込んでブランドの広がりを

 極端な話に聞こえるかも知れないが、現実として社内ではこうしたプロセスを経てやっと活動が認められるわけで、情報公開というならここまでやってもいいのではないかと思う。そうすれば、モータースポーツ専門誌ばかりでなく経済誌、一般紙などの興味も引くことができるだろうし、それがモータースポーツとブランドの広がりを可能にするのではないか。


 トヨタ自動車のモータースポーツ発表会は1月30日、ホンダのそれは2月7日。両社とも流石に今年は無理だろうから、来年の発表会から少しずつ変えていきませんか? そうした発表会をして退路を断てば、全社一丸となってのモータースポーツ活動になるのではないだろうか。ややもすればモータースポーツをのけ者扱いする自動車メーカーが多い中、その活動は簡単じゃありませんよ、担当しているわれわれはこれだけ真剣に取り組んでいるのですよ、という姿勢を見せ、社内から変えていこうではありませんか。変革を期待します。


<了>

『AUTOSPORTweb』

【AUTOSPORTweb】

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赤井邦彦/AUTOSPORTweb

赤井邦彦:世界中を縦横無尽に飛び回り、F1やWECを中心に取材するジャーナリスト。F1関連を中心に、自動車業界や航空業界などに関する著書多数。Twitter(@akaikunihiko)やFacebookを活用した、歯に衣着せぬ(本人曰く「歯に衣着せる」)物言いにも注目。2013年3月より本連載『エフワン見聞録』を開始。月2回の更新予定である。

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