テラスハウス卒業Dykiが涙の引退試合「宮城大樹として立派な人間になる」

長谷川亮

『テラスハウス』出演で人気を集めた第4代RISEバンタム級王者Dykiが引退試合 【t.SAKUMA】

 テレビ番組『テラスハウス』に「宮城大樹」として出演していたキックボクサーのDykiが25日、東京・後楽園ホールで開催された「RISE97」で引退エキシビションマッチを行った。
「テラスハウス」出演で人気と知名度を高めたDykiは、昨年3月悲願のベルトを奪取。その後も一撃KO(5月)、オーストラリア王者に激闘の末判定勝ち(7月)と格闘家として円熟味を増していったが、「くも膜嚢胞(のうほう)」が明らかとなり引退を余儀なくされた。

大技を連発で最後まで打ち合い

【t.SAKUMA】

 ベルトを抱き、観客と入場曲に合わせて掛け声を上げながら入場したDykiは、最後のリングを楽しもうと花道から笑顔。リングサイドでは「テラスハウス」のメンバーたちがその勇姿を見守る。

 Dyki、最後の相手を務めるのは同じバンタム級でDykiに続く第5代王者を目指す村越優汰(湘南格闘クラブ)。引退エキシビションは2分2Rで行われ、Dykiは跳びヒザ、コーナーポストを蹴っての三角蹴り、胴回し回転蹴りと大技を連発。志半ばでの引退となったが、胸に残した思いを出し尽くすかのように村越とロー、ミドルで止まらない打ち合いを演じてみせた。

テラスハウスの仲間“てっちゃん”が花束贈呈

リングサイドには『テラスハウス』の仲間が駆けつけ最後の戦いを見守った 【t.SAKUMA】

 エキシビションの後は引退セレモニーが実施され、まずはコミッションにベルトを返還。続いてゆかりの選手たちからDykiに花束が贈られる。その最後を同門の羅王丸が務めると、苦楽をともにした2人はたまらず表情が崩れ泣き顔となる。

 続いて関係者からの花束贈呈となり、テラスハウスの初期メンバーである菅谷哲也さん、姉でモデルの宮城舞さん、Dykiの師であるRISE伊藤隆代表が新たな門出を祝った。

「この涙はうれし涙です」と明るくあいさつ

「宮城大樹として立派な人間になる」と笑顔であいさつ 【t.SAKUMA】

 マイクを取ったDykiは「この涙は悔しい涙や悲しい涙ではなく、こんなに応援してもらえてのうれし涙です。めっちゃ感謝してます。ありがとうございます」と明るくあいさつ。「今日でDykiは完全になくなるんですけど、これからは宮城大樹として立派な人間になっていこうと思うので、応援よろしくお願いします」と続け、最後のリングを後にした。

 控室に戻ったDykiは「エキシビションをやって10カウントで終わりだと思っていたので、あんなにたくさんの人から花束をもらえてビックリしました」とセレモニーの感想を語り、思い残したことは? という問いには「ないです」と、鮮やかな笑顔で充実感をにじませ答えた。

小宮山が無敗挑戦者退け王座防衛

無敗挑戦者を退けRISEスーパーフェザー級王座を防衛した小宮山 【t.SAKUMA】

 またメーンイベントでは難聴のハンディキャップを持ちながら、これまでアマチュア・プロ10戦を通じて無敗という郷州力がスーパーフェザー級王者・小宮山工介に挑戦。

 打たれても蹴られても決して引かず止まらない郷州は、規格外の圧力で小宮山を苦しめる。郷州の圧力を持て余しクリンチで2度の減点を受けた小宮山だが、距離を作って前蹴りを顔とボディに打ち分け、パンチをまとめる場面も作って2−0の判定勝ち。

 小宮山を追い詰め観客の声援を集めた郷州だが王座奪取ならず、涙を落としての退場となった。

 そのほか、大会の全試合結果は以下の通り。

■RISE「RISE97」
1月25日(日)東京・後楽園ホール

<メインイベント(第11試合)RISEスーパーフェザー級(−60kg)タイトルマッチ 3分5R 無制限延長R>
○小宮山工介(北斗会館/王者)
(判定2−0)
●郷州力(PHOENIX/同級4位/挑戦者)
※47−47、48−47、48−46
※小宮山が2度目の防衛に成功

<セミファイナル(第10試合)RISEライト級(−63kg)次期挑戦者決定トーナメント決勝3分3R延長1R>
○麻原将平(シルバーアックス/ライト級3位)
(判定2−0)
●裕樹(ANCHOR GYM/ライト級1位、初代スーパーフェザー級&ライト級王者)
※30−30、30−29、30−29
※麻原が王座挑戦権を獲得

<Dyki引退エキシビションマッチ>
−Dyki(TARGET/第4代RISEバンタム級王者)
(エキシビションのため勝敗はなし)
−村越優汰(湘南格闘クラブ/RISEバンタム級5位)

<第9試合 SuperFight! ―90kg契約 3分3R延長1R>
○清水賢吾(極真会館/第3代ヘビー級王者)
(2R1分36秒 KO)
●瀧川リョウ(ドージョーチャクリキ・ジャパン/K−1 JAPAN GP’98 第3位)

<第8試合 RISEヘビー級次期挑戦者決定戦 3分3R無制限延長R>
○天田ヒロミ(デジタルスピリッツ/同級4位、K‐1 JAPAN GP 2004優勝)
(判定3−0)
●羅王丸(TARGET/同級2位)
※3者29−28

<第7試合 第5代RISEバンタム級(−55kg)王座決定トーナメント一回戦 3分3R延長1R>
○前田浩喜(CORE/バンタム級4位、元NJKFバンタム級王者)
(2R0分15秒 KO)
●津田鉄平(新宿レフティージム/WPMF日本スーパーバンタム級10位)

<第6試合 第5代RISEバンタム級(−55圈鵬座決定トーナメント一回戦 3分3R延長1R>
○宮崎就斗(TARGET/2013年RISING ROOKIES CUPフェザー級準優勝)
(延長判定3−0))
●九島亮(STURGIS新宿ジム/RISEフェザー級6位)
※3者10−9
※本戦判定は29−29、29−28(宮崎)、28−28でドロー

<第5試合 RISEライト級(−63kg)次期挑戦者決定トーナメント準決勝 3分3R延長1R>
○麻原将平(シルバーアックス/ライト級3位)
(延長判定3−0)
●藤田雄也(極真会館/ライト級6位)  
※3者10−9
※本戦判定は30−29(藤田)、29−29、29−29でドロー

<第4試合 RISEライト級(−63kg)次期挑戦者決定トーナメント準決勝 3分3R延長1R>
○裕樹(ANCHOR GYM/ライト級1位、初代スーパーフェザー級&ライト級王者)
(判定3−0)
●達晃(リアルディール/ライト級5位)
※30−27、30−27、30−28

<第3試合 スーパーフェザー級(−60kg)3分3R>
○TASUKU(リアルディール/スーパーフェザー級8位)
(延長判定3−0)
●開道(HAYATO GYM/スーパーフェザー級9位)
※3者10−6
※本戦判定は3者29−29でドロー

<第2試合 フェザー級(−57.5kg)3分3R延長1R>
○北薗翔大(田畑ジム/初代LEGENDフェザー級王者)
(3R0分32秒 KO)
●金城悠(シルバーウルフ/Eフェザー級5位)

<第1試合 ライト級(−63kg)3分3R>
○一馬(MONSTAR GYM)
(不戦勝)
●上妻慎治(チャンデットムエタイジム)
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著者プロフィール

1977年、東京都出身。「ゴング格闘技」編集部を経て2005年よりフリーのライターに。格闘技を中心に取材を行い、同年よりスポーツナビにも執筆を開始。そのほか映画関連やコラムの執筆、ドキュメンタリー映画『琉球シネマパラダイス』(2017)『沖縄工芸パラダイス』(2019)の監督も。

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