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錦織圭、ナダルに健闘も現地に驚きなし
期待値高いゆえに求められるさらなる結果

「これまでで一番良いプレーができた」

全豪オープンで王者ナダルを相手に健闘した錦織圭。現地のメディアはこの戦いをどう評価したのだろうか
全豪オープンで王者ナダルを相手に健闘した錦織圭。現地のメディアはこの戦いをどう評価したのだろうか【Getty Images】

 なんとエキサイティングな試合だっただろう。

 20日に行われたテニスの全豪オープン4回戦で、センターコートに立つ錦織圭(日清食品)。ネットの向こうには13個のグランドスラム・タイトルを持つ王者ラファエル・ナダル(スペイン)。目の肥えた観客もどよめく激しいラリーを追いながら、この小さな体で、どれだけの努力をすればこんなところまで辿り着けるのだろうと思いにふけった。


 ナダルを向こうにし、攻めなかったショットは1本たりともなかったのではないか。時速200キロのサーブにも、ナダル渾身のフォアハンドにも、錦織は少しでも深く、少しでも強くという気迫を決して失わなかった。その結果が、6(3)−7(7)、5−7、6(3)−7(7)。どのセットも1時間以上を要した3時間17分のバトルとなった。ナダルへの挑戦はこれが6度目だったが、錦織は「これまでで一番良いプレーができた」と振り返る。それでも、いや、だからこそ、せめて1セットは取れたはずという悔いも拭えない。


 第2セットは第5ゲームで先にブレークに成功し、ブレークバックされた第8ゲームはゲームポイントを握っていた。第3セットは1−4から4ゲーム連取でサービング・フォー・ザ・セットを迎え、30−15だった。あと2ポイントでセット奪取というところから得意のフォアでミスが3つ続いた。

リスクを負っても攻め続けた

 多くのラリーでは錦織が主導権を握っていた。それは試合後にナダルが「今日のケイはとてもアグレッシブで素晴らしかった。ボールを早く捉えてウイナーを決めにいくという決意が感じられたよ」と語った通りで、ナダル戦の鍵として錦織が言っていた「後ろに下がらず、ベースライン上からライジングでしっかり(ボールを)捉えたい」という戦術が、十分に実践できていたことを証明するものでもある。


 それは、印象だけでなく数字にも表れている。アンフォースドエラーの数はナダルの28に対して錦織は51だったが、これはあらゆるショットにある程度のリスクを負っていた証でもある。そうしなければ、ラリーの主導権を握ることはできなかったから無理もない。もう一つ、フォースドエラーという項目がある。これは、簡単に言うと、攻められて犯した、いわば「しょうがないミス」だが、その数は錦織の42に対し、ナダルが46。錦織がいかに攻めていたかが分かる。


 ウイナーの数はフォアが16本でバックが12本。フォアに比べると防御的と言われる錦織のバックハンドからこれだけのウイナーを奪われるとは、ナダルも予想していなかっただろう。ちなみにナダルのウイナーはフォア13本にバックが4本だった。

山口奈緒美

1969年、和歌山県生まれ。ベースボール・マガジン社『テニスマガジン』編集部を経てフリーランスに。1999年より全グランドスラムの取材を敢行し、スポーツ系雑誌やウェブサイトに大会レポートやコラムを執筆。大阪在住。

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