戦術から見る帝京大の5連覇=「つまらない」ラグビーから進化
早稲田はユニットでボールを動かして対抗
日本代表にも選ばれている早稲田大FB藤田は試合後に涙を見せた 【斉藤健仁】
早稲田大がSO小倉順平(3年)を中心に、らしい攻めを見せたのは前半の最後。3つのユニットでボールを広く動かし、相手のドリフトディフェンスが追いつかない状況を作り出す戦術「ポッド」でアタックしたが、意図的なトライは奪えなかった。「ゴール前でテンポが出なかった。ブレイクダウンの精度が大事だとは分かっているんですが……。帝京大、強かったですね」と小倉は肩を落とした。
日本選手権でトップリーグ勢に挑む
進化を続ける帝京大。日本選手権ではトップリーグ勢に挑む 【斉藤健仁】
「練習の質、量を上げてきた。選手たちを成長させるために、トップリーグと対戦する準備を春から続けてきた。2019年には日本でワールドカップもあるし、社会に出てすぐに活躍するためには、社会人と同じ基準でやっていこうと早く気づいた方がいい。そうしたメッセージを発していくのもチャンピオンとしての責任です」(岩出監督)
152人の部員を2つのグループに分け、岩出監督自身がコーチングを続けている。そして今シーズンは、2軍チーム同士の戦いであるジュニア選手権も合わせて、関東大学対抗戦、大学選手権と全勝で走りきった。戦術でも優位性を見せて、フィジカルやフィットネス、スキルを積み上げてきた上での勝利だった。
2月16日から始まる日本選手権、帝京大はトップリーグ5位〜12位のいずれかと戦う。大学王者・帝京がどこまでトップリーグチームに迫ることができるか。「赤い旋風」の戦いはまだ終わらない。
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