藤波辰爾&LEONAが初の親子タッグ結成=レジェンドプロレス見どころ
初代タイガーは太陽仮面33年ぶり再戦
12月の負傷で「全治3カ月」と診断された初代タイガーは、太陽仮面と33年ぶり再戦 【t.SAKUMA/佐藤崇】
両者は1981年9月23日に開催された新日本プロレス田園コロシアム大会で対戦。人気絶頂を迎えていた初代タイガーとメキシコを代表するスペル・エストレージャの対決に期待が集まったが、まさかのアクシデントに襲われる。試合中盤でソラールの左肩が外れてしまったのだ。
その後、初代タイガーが負傷箇所を攻め立てると、わずか8分51秒でソラールがギブアップ。後味の悪い結末となったが、同時に初代タイガーの“怖さ”と“強さ”が引き出された伝説の一戦という見方もされるようになった。
日本における評価はこの試合の印象ばかりが先行してきた感は否めないが、本来のソラールは、母国メキシコでは弱冠22歳でUWA世界ウェルター級王座を戴冠し、その後に世界王座3階級制覇を成し遂げたほどの名選手。そもそもこの時が初来日であり、初めての長距離遠征だったため、コンディションも決してよい状態ではなかったという。
2002年3月にDEEP名古屋大会で鈴木みのるとのバーリ・トゥード戦を行ったことからもわかるように、喧嘩ファイトにも順応できるソラールにとっては、ある意味、田園コロシアムでの初代タイガー戦は“消し去りたい過去”だった。
ずっとリベンジの機会をうかがってきたが、今回の対戦決定に至り、「33年前のあの屈辱を日本のファンの前で晴らさなければデビュー40年を気持ちよく迎えることができません。ティグレよ! 私ともう一度闘え! そして日本のファンの前で私の真の強さを証明してみせよう!」と熱いメッセージを発表している。2015年でデビュー40周年を迎えるソラールにとってはまさに「夢」の詰まった大事な一戦となる。
当然、初代タイガーはその思いを真正面から受け止める覚悟だ。昨年11月の記者会見では「意気込みもすごいので、それに応えるという意味では、こちらも同じ覚悟でもっていければ」と語っている。
リアルジャパンの12月大会で負傷し「右アキレス腱及びじん帯損傷で全治3カ月」と診断された右足の状況が気がかりだが、これはある意味、33年前と真逆のシチュエーションとも言える。
そんな刺激的な立ち位置で2人はどんな闘いを繰り広げるのか。単なるリバイバルマッチには収まりきらない試合になるだろう。
他カードにも「夢」がいっぱい!
【(C)レジェンドプロレスリング実行委員会】
ヒロ斉藤&AKIRAvs.獣神サンダー・ライガー&中西学も『レジェンド』という言葉がピッタリ合う好カード。今もなお最前線で戦っている4人だが、キャリアを見れば全員が「ベテランレスラー」のカテゴリーに入る。他団体ではドッシリと構えている印象を受けるが、このリングでは彼らがファン時代に憧れた藤波たちの試合が後に控えているだけに、その戦いぶりも変わってくる。普段はなかなか見せない“引き出し”を開けて、激しいファイトを繰り広げてくれるだろう。
石井智宏vs.岡林裕二は注目の一騎打ち。ともに真っ向勝負を信条とするパワーファイターで、その試合内容は折り紙つき。メーンイベントに据えられてもおかしくない一戦だ。この試合に小難しい解説は必要ない。プロレスに初めて触れる観客にも伝わるであろう意地の張り合いが後楽園ホールを熱狂させることは確実だ。
齋藤彰俊vs.関本大介も石井vs.岡林戦に負けないパワーファイター同士の対決だ。昨年11月のドラディション後楽園大会では、タッグマッチながら関本がグランドコブラツイストで齋藤から勝利(対戦カードはアレクサンダー大塚&関本vs.藤原嘉明&齋藤)。試合後、納得のいかない齋藤が急襲し、スイクルデスを叩き込んで関本をKO。激怒した関本が一騎打ちを要求したという経緯があるだけに、凄まじい肉弾戦が予想される。関本の逆水平チョップと齋藤のキックの打ち合いも見所となるだろう。
そして、オープニングを飾るのは長井満也&ベアー福田&倉島信行vs.アレクサンダー大塚&スーパー・タイガー&間下隼人の6人タッグマッチ。リアルジャパンやドラディションなど各団体で活躍する実力者同士の一戦は、第1試合に相応しい好勝負となるはず。昨年末に他団体出撃をアピールしたレジェンド選手権王者スーパー・タイガーの戦いにも注目したい。
今大会で旗揚げ3周年を迎える『LEGEND THE PRO−WRESTLING』。1月13日、後楽園ホールで新たな“伝説”が生まれる――。