マー君の快進撃を支えた“愛妻メシ”――『アスリートフードマイスター』とは何?
今季の田中の快進撃を支えたまい夫人。彼女が持つ資格として注目された『ジュニア・アスリートフードマイスター』に迫った 【写真は共同】
2012年3月の結婚以来、まい夫人の公式ブログ『里田米』には、「1汁6菜」とも言える彩り豊かで栄養満点の食事が日々アップされ続けている。その腕前はかなりのもの。そして、栄養面での根拠とも言うべきものが、まい夫人が持つ『ジュニア・アスリートフードマイスター』という資格である。この耳慣れない資格がメディアを通じて大きく報道され始めたのが今年の8月ごろ。その後、何度も目にし、耳にするが、実際はどのような資格なのか? アスリートフードマイスター養成講座を開講している日本ソムリエ協会の広報部・河野千佳世さんに詳しく聞いた。
目的やタイミングに合わせた“スポーツのための食事学”
「アスリートやスポーツを楽しむ人を食事でサポートする“スポーツのための食事学”です。食事が100パーセントではないですが、日頃のトレーニングの成果を本番でしっかりと出すためには食事の力が必要になってきます。そのための基本的な知識を分かりやすく学んでいただける資格です。まず基礎コースで取得できるのが『ジュニア・アスリートマイスター』で、さらに詳しく本格的に学べる実践コースで取得できるのが『アスリートフードマイスター』となります」
――実際、どのような授業、講義をされているのでしょうか?
「講師には、管理栄養士の方や実際にプロの選手に食事指導をされている方などを招いています。バランスの良い食事を摂るということが大前提にはなりますが、その上で、試合前日、試合当日の食事、試合後の食事、オフ期における食事など、目的やタイミングに合わせた指導をさせていただいていいます。地方での試合なども多いと思うので、外食でのメニューの選び方やコンビニでの商品の選び方などの話もさせていただいています。試合でのパフォーマンス向上、試合後の効果的な回復、そのためにどのようにして、どのような食事を摂れば効果的なのかということを学べる内容になっています」
――“食事で失敗しない”ということも大きなテーマになるということですが?
「はい。以前、トライアスロンをされている方がいたのですが、その方は日頃から本当に念入りにトレーニングをされて準備万端で本番を迎えたそうですが、レース当日の朝にクリームの入ったレーズンサンドを食べたそうなんです。そうしたらレース中に胃がもたれて気持ち悪くなってレースを途中棄権することになった。それが当講座を受講するキッカケになったということでした。前日の夜、当日の朝の食事などは特に重要になります。日頃のトレーニングを無駄にしないように、食事が足を引っ張らないようにすることも非常に大切になりますね」
――競技別の指導などはされているのでしょうか?
「競技別というよりも、系統別に持久力系、瞬発力系、メンタル系などに分けてですね。年齢別、特に子供の成長期の食事の摂り方などの指導もあります。当講座では実際に調理する授業はありませんので、ここで学んだ栄養素や献立などの知識を元に、それぞれが工夫して、実際のメニューに落とし込んでいただくということになります」