箱根史上最強のライバルが共に目指すもの=早大・渡辺監督×桜美林大・真也加監督

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渡辺監督「僕らが陸上界を変えないと」

渡辺監督、真也加監督共に、「世界を見据えるとトレーニング方法の変化が必要」との認識で一致している 【CSPark】

――真也加監督はケニア出身です。渡辺監督も現役時代に国際大会に多く出場しており、おふたりとも世界を肌で感じてきたと思います。その立場から、今の陸上界をどのように見ていますか?

真也加 一昔前は、日本が強かった。ただ今は、アフリカがヨーロッパのトレーニングを導入して強くなっています。その間、日本は同じ練習のまま。先日、ケニアの指導者に「日本はなぜ弱くなってしまったか」と聞いたら、「トレーニングが悪い」と言われたんですよ。日本ももっとたくさん、良い練習を取り入れていかないといけないんです。

渡辺 100パーセント同じ意見ですね。やはりトレーニングを変えなければいけません。米国が高地トレーニングで成功しているのだから、それを取り入れていかないと。東京五輪を控えていますから変わっていくとは思います。トレーニング方法も、スピードトレーニングを取り入れてすでに7、8年経っていますが、今後はそれが練習の主流になってくると思います。まだ昔のトレーニング方法を用いていることが多いですが、今はトレーニング方法も進化していて、時代は流れています。世界を見ると、トップ選手はマラソンで2時間3、4分台を出しているのに、日本は8分台を超えられていない。誰だって数をこなせば長い距離を走れるようになるんです。ですが、平坦なコースを何回走り続けたって、スピードは上がらない。そうではなくて、20キロのトレーニングを中心にスピードをあげていかないといけません。

真也加 ケニアを見ても、40キロなんて走ってないですからね。1万メートルや20キロのトレーニングしかしないですよ。

渡辺 記録が伸びる時期は、18歳から24、5歳まで。そこで1番良い練習を行わないといけません。

真也加 5000メートルで12分台、1万メートルで26分台を出してから、マラソンへ行くべきだと思ってます。

渡辺 それに変えていくには「結果」が必要です。今、われわれが信じているトレーニング方法で結果を出す。

真也加 そうすれば「渡辺監督がやって結果を残しているから、じゃあうちもやろうか」となります。結果を出して成功事例を作っていかなければいけない。これが、私たちのすべきことです。

渡辺 僕や真也加君のような40代前後の監督が、陸上界を変えていかなければいけないと思ってます。だからこそ結果を出したいですね。僕の競走部は、この夏に初めての試みとして、菅平や妙高で1カ月のトレーニングを行ってきていますし、4年の大迫傑も米国でスピードトレーニングを行っています。大迫が参加しているプロジェクトは、陸上界の今後のためにも、何としても成功させたいと思ってます。

――最後に、今後の抱負と、お互いへのエールをお願いします。

真也加 ありがたいことに「真也加と言えば渡辺」「渡辺と言えば真也加」で認識してもらっています。監督でも同様の認識してもらえるように、強くなっていきたいです。そして、箱根駅伝で渡辺監督と一緒に戦いたいですね。

渡辺 監督になってももちろん変わらず負けず嫌いです。だから、監督として勝ちにこだわるし、真也加君にも負けたくないですね。真也加君が桜美林で結果を残してくれるよう応援しています。

<了>

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