8歳エスポ引退ラン“まだまだやれる”=安達調教師JCダート直前インタビュー

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後藤起用の理由とは

 引っ掛かるという意味では、前走のレースが1400m。過去3回、JCダートに出走しているが、前走から400mの距離延長でレースに出走するのは、今回が初めてだ。

「前走は1400mをスピードで押し切るようなレースになりましたからね。やっぱり一番の心配はそこでしょうね。ただ、それは考えても仕方ないことですし、ジョッキーが一番分かっているはず。ここ2走、上手に乗ってくれていますし、今回もそうなることを期待しています」

 2走前から手綱を握る後藤浩輝騎手。この起用には、何か特別な理由などはあったのだろうか?

「南部杯では、フェブラリーSでも騎乗してもらった松岡正海騎手に騎乗依頼するつもりでしたが、レース当日は東京競馬場でのレースもあり、ジョッキーを探さなくてはいけませんでした。そんな時、後藤騎手が乗れるということだったので、即座にお願いしました。エスポはゲートがあまり得意ではないので、ゲートが上手なごっちゃんとは合っていますよね。そのあたりが、ここ2走、リズムよく走れている要因だと思います」

4年前のJCダートが――

エスポワールシチーでの安達調教師の一番の思い出は初めてJRA・GIを勝った09年JCダート 【netkeiba.com】

 師にとって、エスポワールシチーとの一番の思い出は?

「初めてダートを使って圧勝したレース(2008年8月30日・3歳上500万下)も印象的ですが、やっぱり、初めてJRAのGIを勝った、2009年のJCDですね。この年は外国馬が1頭(ティズウェイ)が出走していましたが、この馬がハナに行くという予想がありました。アメリカの馬だったので、右回りが不得意だった場合、4コーナーで外を膨れることも想定されたので、どうやってレースをするか、哲っちゃん(佐藤哲三騎手)も相当考えたと思います。1番も嫌な枠でしたし、そんな中で勝てたということが、印象に残っていますね」

 写真撮影のため、エスポワールシチーの馬房の前に行くと、師の顔を見たエスポが勢いよく飛び出してきた。

「私と森崎くん(担当者)が前を通ると、こんな感じ。なんで分かるのかな? すごく子供っぽいんですよ。ずっと少年みたい。今でもいろんなものを怖がってます」

 最後に気になる今回のレース展開について聞いてみた。

「枠順次第。自分の枠だけじゃなくて、ハナに行くだろう馬がどの枠に入るかということも、見てみないと、なんとも言えません。とにかくリズムよく走れるように、そのためにはハナに行くべきなのか、控えるべきなのか、ジョッキーとよく相談したいと思います」

<了>

安達昭夫

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1959年10月27日生まれ、京都府出身。1979年、栗東・増本勇厩舎所属で騎手デビュー。1994年に引退。通算勝利は125勝。その後、栗東・梅内忍厩舎での調教助手を経て、1999年に調教師免許を取得。翌2000年に開業。2003年、ステイヤーズSをチャクラで制し、重賞初勝利。2009年、エスポワールシチーでJCダートを勝利し、GI初勝利を飾る。

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