昨シーズンは３位の岡山。個人的には、今シーズンも手堅く上位に入ってくるチームだと思っています。正直なところ、今シーズンも混戦が予想されますが、久光、岡山は四強入りが濃厚なのではないかと予想しています。

　その理由として、まずメンバーが変わらず、岡山独自のスタイルを形成し、磨き上げていることが挙げられます。久光と同様に１人１人の技術力が高く、ミスが少ないバレーをするだけでなく、福田舞選手、佐々木侑選手、佐々木萌選手といった攻撃型の選手に加え、技巧派の山口舞選手もいます。昨年はケガをして、手術をした栗原恵選手も年明けからは試合出場の機会も増えそうなので、攻撃の枚数も十分にそろっています。

　そうなると注目は、やはり宮下遥選手ですね。ワールドグランプリや世界選手権予選、アジア選手権では日本代表のセッターとしてさまざまなことを経験したはずです。岡山のバレーは全日本のバレーとはスタイルが違うので、苦しんだこともたくさんあったと思いますが、世界と対戦する中で感じたこともたくさんあるはず。そこで見えた課題を常に頭に置いて、高さのあるトスを上げてほしいですね。

　ＮＥＣは杉山祥子さんが引退しましたが、島村春世、大野果奈選手といった速攻だけでなく、さまざまな攻撃ができるパワー系ミドルがそろっています。
　キャプテンの内田暁子選手、近江あかり選手というサイド陣も盤石。特に、近江選手はいいですね。思い切りのいいプレーが大好きです。思い切り助走して、思い切り打つスパイカーがコートにいるとチームは盛り上がります。まだ若いですが、チームの軸となる選手です。

　そしてもう１つ、ＮＥＣにとって確実に大きな武器となるのが、今シーズンから加入した都築有美子選手の存在です。トヨタ車体でプレーしていた都築選手は、いつも、どんな時でも一生懸命、勝利に向かって、それこそ倒れるまで力のすべてを出し切る選手です。常に全力で相手に向かう闘争心は、若い選手が多いＮＥＣにとって、いい影響を与えるだけでなく、起爆剤となるはずです。

　昨シーズン５位のトヨタ車体は、セッターの河村聖子選手が復帰しました。ＮＥＣと同じように若い選手が多いチームなので、ミドルの矢野美子選手と共に、ベテランとしてチームをまとめてほしいですね。

　チームの方針として、トヨタ車体はファーストタッチを高く上げて、選手全員が十分な助走を取り、一斉に攻撃に入ることを重視しているそうです。ファーストタッチを高く上げることで、ブロックを跳んだ後にミドルもしっかり下がって準備ができるので、攻撃枚数を増やすことができます。アタッカーも助走を取ったほうが相手のコートが良く見えますし、相手のブロッカーからすれば、複数の選手が一斉に助走を取ると、どこから攻撃してくるのかが絞りにくくなります。しっかりボールをたたける選手が多いイメージがありますし、セッターの藤田夏未選手も、Ｕ２３世界選手権やモントルー国際大会で経験を積んでいます。しっかり助走を取って打つ、という徹底付けは素晴らしいこと。ぜひ、アタッカーの助走に注目してみて下さい。