セッター、ミドルの新戦力にも注目!=大山加奈が語るVリーグ13−14展望

構成:田中夕子

Vプレミアリーグ女子が30日開幕! 元日本代表の大山加奈さんが今シーズンの見どころを紹介 【スポーツナビ】

 バレーボールのV・プレミアリーグ女子が30日に埼玉・所沢市民体育館、岡山県総合グラウンド体育館(桃太郎アリーナ)で開幕する。
 8チームによる総当り4回戦で実施されるレギュラーラウンドから、上位4チームでのファイナルラウンドが行われる3月(決勝は4月12日、もしくは13日)まで、全国各地で熱戦が繰り広げられる。

 今回スポーツナビでは、元日本代表の大山加奈さんに2013−14シーズンについての展望や各チームの状況、注目選手などについて語ってもらった。

前年覇者・久光製薬は石井、狩野らに注目!

 今シーズンの優勝候補筆頭は、やはり昨年の覇者、久光製薬ではないでしょうか。
Vプレミアリーグだけでなく、皇后杯、黒鷲旗と女子チームとしては初めて、主要三大会を制覇しました。

 1人1人のスキルが高く、その選手たちを中田久美監督が束ねるようになって、チームのカラー、意識がとても変わったのを感じました。レギュラーに抜擢された石井優希選手、長岡望悠選手もシーズンを通して活躍し、石井選手は先日のグラチャンでもチームNO.1と言っても過言ではないほど素晴らしいパフォーマンスを発揮していました。今シーズンはマークが厳しくなるとは思いますが、リーグや国際大会での経験を生かして、さらに活躍してほしいですね。

 さらに今シーズン、注目はセッターの狩野舞子選手です。昨シーズンはセッター転向1年目で、あまり試合出場のチャンスはありませんでしたが、中田監督も期待を寄せていますし、今季はおそらくスタートから試合に出場する機会も増えるはずです。外国の選手は別として、日本人であれだけの高さがあるセッターは見たことがありません。どんなバレーになるのか、今からとても楽しみです。

中田久美監督の存在も久光製薬の強さの秘訣

昨年の覇者・久光製薬は、中田久美監督の存在も大きい 【写真は共同】

 経験の少ないセッターをカバーするためには、周りの力も大切です。その点でも久光製薬は今シーズンからキャプテンに就任した石田瑞穂選手や、昨シーズンのキャプテン、古藤千鶴選手といった、狩野選手にとって頼れる存在がいてくれるのも大きいのではないでしょうか。

 昨シーズン、攻守の要として活躍した新鍋理沙選手も、昨年以上にチームを引っ張る気持ちでプレーしてほしいですね。

 代表組が多い分、合流が遅れ、コンビを合わせる時間も限られ、調整は確かに大変だと思います。もしも連敗したり、苦しい時にどれだけ踏ん張れるかも1つのポイントです。
 ただ、そこでおそらくチームを引き締め、まとめてくれるのが中田監督の存在です。自分が前に出るのではなく、常に『選手が頑張った』『選手を助けてあげたい』『力を貸してあげたい』という言い方で選手を立ててくれる監督です。
 チームを引っ張るのではなく、選手を導いてくれる中田監督。勝ち続けることに挑戦する今シーズンも、目が離せません。

東レはミドルの選手の成長が著しい

 その久光製薬と開幕戦で対戦するのが東レです。

 荒木絵里香選手という大黒柱は抜けましたが、中道瞳、迫田さおり、高田ありさの3選手がしっかりしていればそれほど大崩れはしないはずです。キャプテンとしてチームを引っ張る中道選手はもちろん、いつも真面目に、一生懸命プレーする迫田選手の姿は若手選手に与える影響も大きいと思うので、とにかく持ち味の攻撃力を生かして、グラチャンの時と同じように、思い切ってバックアタックを打ってほしいですね。

 ミドルの選手も成長が著しく、宮田由佳里選手やルーキーの伊藤望選手など、得点を取れるミドルがチームにとって大きな戦力になる兆しを見せています。セッターの田代佳奈美選手もU23世界選手権に出場するなど、経験を積んで、意識も顔つきも変わってきました。中道選手だけでなく『自分もいる』ともっともっとアピールして、中道選手とはまた違う持ち味を発揮したいところです。

 4レグと長いシーズンなので、開幕戦がすべてではありませんが、昨年の決勝と同じカード。所沢での開幕戦がとても楽しみですね。

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著者プロフィール

1976年神奈川県生まれ。日本大学短期大学部生活文化学科卒業。なぜか栄養士免許を有する。神奈川新聞社でのアルバイトを経て、月刊トレーニングジャーナル編集部に勤務。2004年からフリーとしての活動を開始。高校時代に部活に所属したバレーボールを主に、レスリング、バスケットボール、高校野球なども取材。

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