ラグビー日本代表、「最強」を知る――NZ戦完敗も闘志は衰えず

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NZ・マコウ主将「簡単なゲームではなかった」

NZのリッチー・マコウ主将は「プレッシャーがかかる場面でボールを落とすこと」を日本のウイークポイントだと指摘した 【築田純】

 ニュージーランドは日本をどう見たか。「世界最高のラグビー選手」と評価されるリッチー・マコウ主将は「簡単なゲームではなかった。日本の質は上がっていてプレッシャーを感じた部分もあった。スクラムもなかなか良かった」と印象を語った。
 NZ代表として121キャップを誇り、世界中から尊敬を集める男は、日本のウイークポイントについて「プレッシャーがかかる場面でボールを落とすことがあった。そこでボールに食いつくことができればもっと良くなると思う」と指摘した。

 また、NZのスティーブ・ハンセンHCは「日本をノートライに抑えたのは大きい。彼らは最近のテストマッチでずっとトライを取ってきていたから、そこを抑えられたことが良かった」と日本の攻撃力を警戒していたことを明かした。

「もうオールブラックスは憧れの存在ではない」

「もうオールブラックスは憧れの存在ではない」と岩渕GM。完敗も、日本代表の闘志はさらに熱く燃えた 【築田純】

 脳梗塞で入院中の日本代表エディー・ジョーンズHCは「最初の20分間は良かった。世界のトップ10に勝つためには、同じことを50分間続けなくてはいけない。われわれの目標はこれからの2年間だ」と協会を通じてメッセージを送った。15年W杯に向けて、指揮官は先を見据えている。

 廣瀬主将は「方向性は間違っていない。防げるミスが多かったが、ミスがなければ勝つポジションにいけたんじゃないかという思いもあります。これからも小さなことを積み重ねて向上していきたい」と前を向いた。

 後半ロスタイムにNZゴールに迫った21歳のWTB福岡堅樹は「早い段階で世界一のオールブラックスと戦えたことは良い経験になります。世界の頂点に立つためにはまだまだやることがたくさんある。きついところでトライできる選手になりたいと思いました」と決意を新たにした。

 岩渕健輔GMは「もうオールブラックスは憧れの存在ではない。倒さなければいけない相手だと捉えています」と言い切った。

 6月にウェールズ代表を破る金星を挙げ、カナダ、アメリカにも連勝した快進撃は世界王者にあっさりと止められたが、「世界最強」を知ったことでブレイブ・ブロッサムズ(勇敢なる桜の戦士たち)の闘志はさらに熱く燃えている。
 3日からの欧州遠征で課題を解決し、来春からの復帰を目指すジョーンズHCに朗報を届けるために――、日本代表の挑戦は続いていく。

<了>

(文・安実剛士/スポーツナビ)

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