“邪道”大仁田が高山に倍返しを宣言=10.25・26大仁田興行リポート

小野 仁

大仁田が“バースデーファイト”に俄然大ハッスル

10.25大仁田興行熊本大会の試合前には大仁田の58歳のバースデーを祝福 【小野仁】

“邪道一座”大仁田厚プロレスリングが10月25・26日の両日にわたって九州2連戦を敢行。台風27号の直撃は避けられた九州地方に邪道の嵐が吹き荒れた。

 初戦の熊本・御船町大会当日は、奇しくも大仁田の56歳の誕生日。開場前、デビュー18周年の記念日を迎えたラ・マルクリアーダとともに、参戦選手らからサプライズで祝福を受けた大仁田は、「まぁもうそんな、誕生日を祝ってもらうような年齢じゃないからさ(苦笑)、照れくさいけど、やっぱりうれしいよ。みんな(選手・スタッフ)の気持ちに今度はオレが何か返さなきゃな」と、思わず相好を崩した。

 これに気をよくしたばかりか、この日は超満員札止めの大入りとあって、俄然大ハッスルの大仁田。メインの6人タッグ戦を十八番のサンダーファイヤー・パワーボムで締め、“バースデーファイト”を自ら飾った。「お客さんもたくさん集まってくれて、最高の盛り上がりの中で試合できて、月並みな言葉だけどオレは幸せ者だとつくづく思うね」と、試合後の控室でも満面の笑みを浮かべた。

大仁田が高山に「致死量の30%まで燃やす」と予告

ジ・アッチィー(右)の熱さに胸を打たれた大仁田が12月の高山戦に言及。「倍返しでオマエのことを致死量の30%まで燃やしてやる!」と物騒な予告が飛び出した 【小野仁】

 第2戦の大分・中津大会では、ローカル団体・大分プロレスを率いるジ・アッチィーと再会。大仁田に憧れてプロレスラーを志したアッチィーとは、2005年に大分で対戦して“邪道魂”を伝授し、3年前には非公開のイベントマッチでタッグを組んだ間柄だ。

 前日の敗戦に不服のミスター・ポーゴらの要求で、メインの6人タッグ戦が両軍に1人ずつパートナーを加えたカードに急遽変更されたが、ポーゴの火炎噴射まで飛び出した大乱撃戦も大仁田組に凱歌。戦況を見極めた大仁田が、大分の雄・アッチィーの殊勲勝利を呼び込んだ。
 「3年ぶりにアッチィーと会って、こうやって地方で頑張ってるレスラーがいるんだなって、またエネルギーを与えてもらって、自分の中では(10・14『越後大花火』〜大仁田&田中将斗vs高山善廣&NOSAWA論外〜で負った全身の火傷が)全治2カ月と言われて、いまだに足や腕が膿んでる状態なんだけど、オレもアッチィーにあやかって頑張らなアカンなぁってさ」と、大仁田はアッチィーをたたえるとともに、12.13水戸「常陸国大花火」で電流爆破戦による初シングル対決を果たす高山についても言及。
「今回は九州で2連戦やったけど、やっぱりファンが熱いよな。(試合後のサイン会でファンと接して)『また来てください』とか、いろいろうれしい声を聞けたけど、『20年待ってました』ってヤツがいたよ。『10歳の時から待ってましたけど、30歳になりました。この(客席に投げ入れた空の)ペットボトルを取るために』って。20年待つなよ!ってさ(笑)。そう言わたらさ、それはうれしいよな。いや、うれしくなかったらおかしいだろ! これでまた、高山戦(12.13水戸『常陸国大花火』電流爆破シングル対決)に燃えてきたから。前回、新潟ではオマエ(高山)に運があってオレが燃やされたけど、オイ、高山! オマエに2度目の運があると思うな。オレは(全身の)15%燃やされたんだから、倍返しでオマエのことを致死量の30%まで燃やしてやる!」と、最後には物騒な予告まで飛び出した。

邪道の用心棒・矢口が大暴れ

 また、この九州2連戦では、大仁田の脇を固める邪道軍の面々の活躍も随所で光った。日ごろは心強い用心棒として大仁田を補佐する矢口壹琅は、両日とも“ブラック矢口”として悪に徹して大仁田を苦しめた。矢口と反対に保坂秀樹は、大仁田を援護して連夜の勝利に貢献。松崎和彦は10.25御船町のメインで初めて大仁田のパートナーを務め、10.26中津のセミではマグニチュード岸和田と両者リングアウトながら客席から拍手が沸き起こる白熱の一戦を繰り広げた。

 これらレギュラー陣に、阿蘇山(九州プロレス)やアッチィーら地元勢が溶け込み、絶妙のハーモニーが奏でられた2日間だった。

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