上原&田沢が支えるRソックス鋼の強さ
「シーズンの続きという感じでやっている」
地区シリーズの貢献度で言えば、田沢は上原以上だったかもしれない 【写真は共同】
しかし……地区シリーズが蓋を明けてみれば、レッドソックスの打線はしぶとさを保ち、先発投手が試合を作り、セットアッパーのコンディションも整い、クローザーはストライクを投げ込み続けた。「いつも通り」のベースボールで、レッドソックスはレイズの“勢い”を軽々とせき止めてみせた。
「いつもより声援があるかなというぐらいで特別な感じはなかった。シーズンの続きという感じでやっている。ストライクが入って良かったです」
第1戦後の田沢のそんなシンプルな言葉の中に、真実が含まれている。ありきたりな表現だが、1つの目標に向かって一丸となった今のレッドソックスの中では、誰かが特別なことをする必要はない。1人のスーパーヒーローや、意外なラッキーボーイが出現する必要もない。互いへの信頼感ゆえに、チーム内の様々なことが良い方向に向かっているように見える。
背番号「19」があと2度、マウンドで……
しかし……統率の取れた群は個を制す。それぞれが粘り強い打撃を続ければ、デトロイトの豪腕たちもいつか必ず消耗する。
レッドソックスの選手たちは、ここでも普段通りの仕事を果たせば良い。そのときには、“運命”は自然と切り開かれるように思えてならない。そして、その結果として、ボストンの背番号19がもう1度、いやワールドシリーズまで含めてあと2度、マウンド上で掲げ上げられることになってももう誰も驚くべきではないのだろう。