劣勢の中で存在感を発揮した本田圭佑=欧州王者に完敗も前線で孤軍奮闘
期待に反して勝ちきれないロシア勢
体を張ったキープ力をいかしてチャンスを作り出した本田(右) 【Getty Images】
天然ガスなど豊富な資源をテコに経済発展を遂げつつあるロシア……。その経済力を背景に、ロシアのクラブは有能な外国人選手を次々と獲得し、ここ数年、欧州の舞台でのロシア勢の活躍には大きな期待が集まっている。
しかし、ロシアのクラブはなかなか結果が出せない。その原因こそが、まさに「インテンシティー」の差なのである。
一方、バイエルンはジョゼップ・グアルディオラ新監督を迎え、新しいスタイルのサッカーへの転換を模索しているところだ。選手たちはまだ、グアルディオラ監督の新しいサッカーを消化するのに精いっぱい。リーグ戦では結果こそ出ているものの、内容的にはまだまだと言わざるを得ない。
横たわる「インテンシティー」の差
CSKAの選手たちは、当然のように自陣のペナルティーエリア前でしっかりと守備組織を作るが、その守備のブロックの前でバイエルンの選手たちは楽々と、そして楽しそうにボールを回していた。
守備の人数が足りていても、相手との間合いをあけすぎたのでは、バイエルンの選手たちにとってはノーマークの状態に等しい。そして、CSKAの守備はまったく機能しなくなってしまった。
CSKAは守備陣にGKのイゴル・アキンフェイフをはじめ、代表クラスのDFをそろえており、決して守備力の弱いチームではない。CSKAの守備は国内の試合では十分に通用する。だが、バイエルンのような相手には通じないのだ。
ロシアリーグでは互いに楽にパスを回すサッカーを展開することが多い。下位チームが上位に挑む場合でも、激しいプレッシャーで相手の良さを消すよりもパスをつないで自分たちのサッカーをしようとする。その積み重ねが、「インテンシティー」の差ということにつながっていくのだろう。