横山典騎乗のアースコネクター完勝、海外セール組もチェック=POGの達人コーナー

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横山典弘騎手が騎乗したアースコネクターは2歳新馬・新潟ダート1200mで完勝。次は阪神のヤマボウシ賞に出走か 【netkeiba.com】

 仮想馬主となって現実の競馬を楽しむゲーム「POG(ペーパーオーナーゲーム)」。主に2歳馬デビューから翌年の日本ダービーまでの間、選択した競走馬の着順・獲得賞金などをポイントに置き換え、馬主気分で持ち馬の成績を競うゲームである。そのPOGを世に広めた“達人”こと、競馬評論家の須田鷹雄氏が2歳馬の最新情報をお届け。2014年の日本ダービーを目指す若駒たちの動向に注目したい。

アースコネクターはヤマボウシ賞出走の可能性

 8月25日の2歳新馬・新潟ダート1200mでは、アースコネクター(母Rahy Connection)が完勝を見せた。赤本の本文中でも触れたように、私の出資馬でもある。

 サマーセールでお会いしたとき和田正道調教師は「抽選さえ通れば大丈夫ですよ」と自信を見せていたが、その通りの結果だった。

 グリーンファームには「悲願の兵庫ジュニアグランプリ制覇」という半分冗談、半分本気のネタがあるのだが(同ファームの馬が再三惜敗してきたので)、そこへ向けてまずは順調な1勝目。このあとは9月28日・阪神のヤマボウシ賞に出走する可能性が高い。横山典弘騎手は、「園田(競馬場)みたいな小回りは向かないんじゃないかなー」と笑っていたが、オープンに上がると他に選択肢はない。「対応できるように教えとくよ」というジョッキーの言葉通りになればいいのだが。

 それにしても驚くのは和田正道師のトレーニングセールにおける強さである。毎年のように8月にデビューさせ、かつ勝ち上がらせる。米国のトレーニングセールはプレビュー当日だけ上げ底状態になっている馬も多く、日本に持ってきて順調に使うこと自体難しい。にもかかわらず師は毎年当てている。下手に芝だ距離だと色気を出さず、ダート短距離に特化して迷いのない選択をしているのも良いのだと思うが、それ以外にもノウハウはあるはず。いつか学びたいものである。

トルセドールは高馬だけに期待高まる

 同馬をきっかけに、今回は海外トレーニングセール組から何頭か取り上げよう。

 バレッツマーチセール組はアースコネクターのほか、キープアットベイ(母Great Deep Bay)が盛り上がっている。8月22日には美浦坂路で51.7秒を馬なりでマーク。中山の2週目にデビューを予定している。ちなみに、こちらは赤本スタッフでもある伊吹雅也氏が出資しているらしい。

 ナンチンノン(母Etro)も8月上旬に入厩済み。7万ドル(約680万円)とリーズナブルな馬だったが、プレビューでは10秒を切っていた。同じ中竹厩舎のアスターカウンティ(母Albany County)も入厩している。

 OBSマーチセール組ではトルセドール(母Travelator)が入厩済み。37万ドル(約3600万円)の高馬だけに期待が高まる。同じオーナーのサンキュージョン(母De'jade)も入っている。2頭同じくらい、お盆ごろの入厩だったが、中山後半とすると、マル混(混合レース)のダートは9月28日だけ。2頭とも芝向きという血統ではないが、さてどうするか。

 今年2頭しかいなかったフロリダセール組はザンブローネ(母Tejida)、テスティコ(母Last Crown)ともにちょうどこの原稿を書く数日前に入厩。こちらはまだ坂路に入りだしたばかりなので、デビューは先になる。

<了>

▼筆者:須田鷹雄
1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、90年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書を初めて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

POGとは?

「ペーパーオーナーゲーム(Paper Owner Game)」の略。競走馬の仮想馬主となり、持ち馬の成績を競うゲーム。馬主気分を味わいながら仲間で楽しむことができ、須田鷹雄氏ら愛好家が基本的なルールを提唱して普及した。一般的には、夏の新馬戦開始前に2歳馬を選び、翌年の日本ダービーまでの獲得ポイントを競うゲームとして知られている。
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