タバレス監督「日本サッカーは進化した」=試合前日、ウルグアイ代表監督会見

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前日会見に臨んだウルグアイのタバレス監督は、日本サッカーの発展に敬意を表した 【スポーツナビ】

 サッカー日本代表は13日、翌日に控えたウルグアイ代表との親善試合に向けて、試合会場である宮城スタジアムで記者会見を開いた。本田圭佑や香川真司ら欧州組の主力がメンバーに復帰した日本は、柿谷曜一朗ら東アジアカップで優勝に貢献した新戦力とどのような融合を見せるのかに大きな注目が集まっている。

 一方のウルグアイ代表はワールドカップ(W杯)南米予選を9月に控えているだけに、日本戦は重要な強化の場となる。オスカル・タバレス監督は「日本サッカーは進化しており、良い時を迎えている」と近年の躍進を大いに評価し、「われわれは南米予選で現在難しい状況にあり、その意味では(予選を突破した)日本から学ぶことが多い。収穫があれば」と予選突破に向けて日本戦を実りのある試合にしたいと意気込んだ。

日本がW杯出場を最速で決めたことも納得

 今回、日本で戦えることをうれしく思う。日本の皆さんは大変温かく出迎えてくれた。日本のサッカーは進化しており、良い時を迎えていると思う。すごく高いレベルでプレーをしている。非常に長い距離での移動、時差という障害があったが、それらを乗り越えて明日は良い戦いをしたい。そしてスタジアムに来てくださる観客の皆さんにはそれを楽しんでいただきたい。

――アルベルト・ザッケローニ監督はウルグアイについて、非常にミスが少なく、チャンスがあれば必ず点を決められるチームだと話していた。逆にウルグアイが日本から学べるものはあるか?

 私はサッカー界で長年のキャリアがある。日本がどのような進化を遂げてきたかについても、その間ずっと見てきた。プロリーグの開幕、外国人の助っ人選手など、それほど昔の話ではない。またブラジル人の監督や選手たちが、日本サッカーに多くのものを残したと思う。コンフェデレーションズカップ(コンフェデ杯)でも、良い試合をしているのを見た。中盤もそうだが、前線の3人の選手も非常に高いポテンシャルを持っている。またザッケローニ監督のことは、彼がセリエAで指導していた時代から知っているが素晴らしい監督で、イタリアのサッカー文化を日本に伝授しているように思う。日本がW杯出場を最速で決めたことも納得できる。日本は常に落ち着いて試合ができるチームだ。残念ながらわれわれは、南米予選で難しい状況にあり、その意味では日本から学ぶことが多い。9月にとても重要なペルー戦を控えている。今回の親善試合では、多くの収穫があることが望ましい。

――今回招集できなかった(エディンソン・)カバーニだが、どういう特徴を持った選手か。また、(ルイス・)スアレスや(ディエゴ・)フォルランといった選手と相性が良いのはなぜか?(海外メディア)

 カバーニは招集したのだが、残念ながら筋肉の負傷により来られなかった。彼は非常に優れたフィジカルを持ち、守備でも大きく貢献しているので、スアレスやフォルランといいタッグを組めるのだと思う。彼ら(カバーニとスアレス)は同じ年代なので、2006年からスタートしたウルグアイ代表のプロセスの中で互いに切磋琢磨(せっさたくま)しながら育ってきた。カバーニは非常にプロフェッショナルな選手で、常にチームに貢献したいと考えている。得点能力にも磨きをかけ、イタリアでは得点王にも輝いた。そうした実績があったので、フランスのビッグクラブ(パリ・サンジェルマン)が獲得したのだと思う。

攻守にバランスのとれた試合運びを考えている

――ウルグアイはW杯予選でプレーオフ圏内にいるが、この重要な時期に日本と対戦する意義をどう考えているのか?

 われわれは、すべてFIFAのマッチデーでマッチメークをしている。今回の対戦相手はあくまで日本なので、ペルー戦に向けてということよりも、これまでやってきたことの確認を行いたいと考えている。明日の日本戦で起こるすべてのことが、情報としてわれわれチームスタッフの参考になるだろう。われわれは7年間、同じメンバーでプレーいるのでお互いをよく分かっている。今回の試合は、欧州でプレーする選手たちがプレシーズンの時期に戦う試合としては、良い機会だと思う。われわれは親善試合を戦う際に、必ず3つの目標を掲げている。試合内容、結果、そして試合に対する姿勢だ。

――コンフェデ杯でも守備の強さが際立っていたが、監督が考える守備の哲学、あるいは(ディエゴ・)ゴディンや(ディエゴ・)ルガノなど優れたセンターバックが生まれる背景をどう考えるか?(元川悦子/フリーランス)

 ウルグアイは伝統的に高いレベルのDFを輩出してきた。しかしこのチームがスタートした06年は守備はそれほど良くなかった。現在は、先ほど挙げていただいたルガノやゴディン以外にも、(マルティン・)カセレス、(ホルヘ・)フシレといった若い選手が育っている。ウルグアイは人口300万人の小さな国で、ほかの大きな国に比べて選手を見つける作業はより困難になる。われわれは、新しい選手が育つことに常に期待を寄せている。私は守備という言葉は嫌いではない。良い守備によって、相手のポテンシャルを消すことができる。ただ、ウルグアイの最近のサッカーでは、守備だけでなく、スアレスやカバーニや(クリスティアン・)ストゥアニといった攻撃に優れた選手も出てきた。わたしは優れたDFがいるからといって、超守備的なサッカーを目指しているわけではなく、攻守にバランスのとれた試合運びを考えている。メンバーはここ最近変わっていないので、さまざまな戦術やパターンがある。DFは4人でも3人でも(対応できるし)、MFでも数を変えながらバリエーションを作ることが可能だ。

――スアレスが移籍を希望してリバプールで戦力外扱いとなっているが、妥当な判断だと思うか? また彼は謝ったほうがいいと思うか?

 彼のプロ選手としての個人的な現状について、私にコメントを発する権限は一切ないと思う。ただ代表でのスアレスについてコメントするなら、彼はいつ会っても変わらない。高い意欲を持った選手で、17歳くらいのユース時代からずっと過ごしてきたので、よく知っている。最近はメディアで、そうした形で大きな注目を浴びることが多いが、その件について代表のスタッフが公にコメントしたことは過去にはないし、今後もするつもりはない。クラブとスアレス、両者にとってより良い結論が出ることを望みたい。

<了>

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