吉井理人が語る、パVの行方と斎藤佑樹「佑ちゃんも僕もちょっと甘かった…」
シーズン佳境に向け、吉井理人氏がパ・リーグの優勝争い、そして斎藤佑樹について語りました 【スポーツナビ】
スポーツナビでは、福岡ソフトバンク、千葉ロッテ、オリックスの主催ゲーム全試合を完全生中継するFOX SPORTS「BASEBALL CENTER」のメーンアナリストを務めている吉井理人氏に、今後のパ・リーグの展望と、現在パ・リーグ最下位に沈む北海道日本ハム、そして、けがで長い2軍生活を送っている愛弟子・斎藤佑樹について話を聞いた。
楽天が本命も優勝未経験が不安材料
首位を走る楽天だが、優勝争いの経験が選手にないことが不安と指摘する吉井氏。一方で投手力が充実する西武が怖い存在と語った 【スポーツナビ】
「競馬に例えると、二重丸(本命)がソフトバンクだったんです。あとは横並びと思っていたので、楽天が首位の状況はそんなに驚いてないですね」
――ずばり優勝、クライマックスシリーズ進出のチームは?
「やはり現時点で上にいる楽天が有利です。しかし、戦力を見るとどこも拮抗しているので、どのチームにもチャンスはあると思いますよね。楽天はしっかりしたエース、田中将大がいるので、連敗をなかなかしない。これは優勝を狙うチームとしては非常に大きいです。
また、打線もアンドリュー・ジョーンズ、マギーがしっかり4番、5番を打っている。また、その前後を打つ、銀次と枡田が急成長しているのも大きな要素です。勝っているチームの若手が急成長すると、その勢いはなかなか落ちないと思います」
――楽天に不安があるとしたら?
「優勝した経験がないことでしょう。おそらく星野監督も一番心配しているのが、優勝争いの経験がないことだと思いますね。ただ、その辺を星野監督がどのように選手たちを教育して勝利へ導いていくか、すごく楽しみですね」
――楽天を脅かしそうなチームというとどこですか?
「投手力がそろっている西武ですね。西武の投手力は開幕当時からすごく注目していました。菊池雄星、岸、野上、十亀、牧田がしっかりしていて、完投能力があり、ゲームをつくれる。まだまだ成長の段階ですごく勢いがありますね。渡辺監督も我慢して長いイニングを投げさせていましたし、1シーズン通して見たら強いですよ。この夏は西武の先発ピッチャーがどれだけ長いイニング投げるかに懸かっています。夏をうまく乗り切れれば、秋に向けてチームの勢いが上がってくるのではないでしょうか。打線の方も一時全員不調になった時期がありましたが、1シーズンでそんなにあることではないので、この先、調子を上げてくることを考えると、強いと思います」
先発事情が苦しいチームが低迷、整備が鍵に
「先発ピッチャーですかね。先発が攝津しかいない状態なので、これはいくら強力ブルペン陣がいても、苦しいですよね。先発がダメだったので、ブルペンもフル回転になって、結局へばっている状態ですよね。投手の、特に先発陣の整備がこれからの鍵になるでしょうね」
――以前のインタビュー(2013年5月11日掲載)でロッテの強さに触れていましたが、首位から陥落して現在3位。この失速の原因をどう見ていますか?
「ロッテは、あの時点でローテーションの軸として、成瀬がいましたが、成瀬が不調で抜け、厳しい状況になりました。軸がいないし、1シーズンを乗りきった経験があるピッチャーが1人もいないので、苦しい時期です。早く成瀬が帰ってくれば、唐川や西野、グライシンガーらが頑張っているので、持ち直すと思います。先発事情が苦しくなると、リリーフにすごい負担がかかってきます。自慢の『M&M』松永、益田、カルロス・ロサ。この辺がちょっと疲れていると思うんですよね。その辺、監督の腕の見せ所じゃないですかね。
益田ですが、調子はそんなに悪くないと思います。ただ、プロの怖さというのを知っているので、疲れから、それがピッチングに出ていますよね。変化球がやたら多くなっている。かわしにいこう、かわしにいこうとしている。益田の良さが出てないですね」
――5位のオリックスの状態はどう思いますか?
「メンバーを見たら強いですね。ですが、はっきり言って金子しか完投できるピッチャーがいない。そこがすごく重要だと思います。完投できるピッチャーを作れないのが今の低迷につながっていると思います。2番手以降ではBCリーガーの森本や岸田、比嘉、左の前田が頑張っているので、佐藤から平野に続くもう1枚として確立できれば、浮上、巻き返しの可能性はあると思います」