エイシンフラッシュ“最強世代”3頭目の世界制覇へ

JRA-VAN

競馬史に残る下馬シーン、劇的復活の天皇賞・秋

ミルコが天皇・皇后両陛下に対し下馬したシーンは、競馬史に残る名場面となった 【写真:中原義史】

 しかし、このままで終わらなかったのは流石にダービー馬たるゆえん。5歳秋に挑戦した天皇賞で見事な復活劇を見せた。この年の天皇賞・秋は新興勢力として3歳のフェノーメノ、カレンブラックヒルが挑戦し、人気を博していたことからエイシンフラッシュはまたまた穴馬的な存在となっていた。それでもレースでは初めてコンビを組んだM・デムーロ騎手が上手くエイシンフラッシュをなだめ、虎視眈々と勝利を狙って中団からいつも通りの競馬を展開させる。2番手以降を10馬身以上離して大逃げを打ったシルポートが前半の1000mを57秒3で通過。一見すると超ハイペースに思われたが、2番手以降は平均的な流れ。エイシンフラッシュはペースを乱されることなくリラックスした感じで馬場の内側を追走していた。

 そして、レースは最後の直線へ。ゴールが近づくにつれて失速していくシルポートに反して一気に加速する後続の面々。その中で馬場の最内から一筋の黒い閃光が突き抜ける。M・デムーロの渾身のムチに反応してエイシンフラッシュがグイグイと加速した。残り200mを通過した時点で先頭に立つと、フェノーメノ、ルーラーシップの追撃を退けて先頭でゴール。実に2年5カ月ぶりの勝利となった。また、レース後にM・デムーロ騎手が御来席を賜った天皇・皇后両陛下に対し、下馬して片膝をついての一礼。何とも高貴で清々しく、実に印象的だった。

大阪杯後も順調、いざ海外G1制覇へ!

 見事な復活劇を見せたエイシンフラッシュ。天皇賞・秋以降はジャパンC、有馬記念と出走。勝利こそならなかったが、早々と6歳春に2度目の海外遠征のプランを発表した。

 そして、いよいよその大舞台が近づいている。前走・大阪杯の後も順調に調整が進められている。ヴィクトワールピサ、ルーラーシップに続いて、この世代3頭目の海外G1制覇を期待したい。

(text by Kazuhiro Kuramoto)

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