サタデーナイトはウエストが対抗戦制す=美技連発のロスがダンクコンテスト王座に

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少年を飛び越えダンクシュートを決めるロス。美技を連発したロスがダンクコンテスト 王座に輝いた 【Getty Images】

 16日(日本時間17日)、NBAオールスターサタデーナイトが開催され、オールスターを彩るイベントが行われた。

 今年のサタデーナイトでは史上初となるカンファレンス対抗戦の形式となり、各イベントに各カンファレンスを代表する選手が登場。まずファーストラウンドではカンファレンス対抗の「チームラウンド」で、得点やタイムなど各カンファレンスの合計で勝者を決める。次に、「チャンピオンシップラウンド」では、各カンファレンスからチームラウンドでベストの成績を残した者同士が争い、各イベントの王者を決める。各イベントごとに、この2ラウンドの結果により、各カンファレンスにポイントが振り分けられ、サタデーナイトの勝者が決まる方式となっている。

カンファレス対抗戦は両者引かず接戦に

 まず行われたシューティングスターズのチームラウンドでは、各チームの合計タイムでウエストが勝利し、まずは20ポイントを獲得した。チャンピオンシップラウンドでは、イーストのチーム・ボッシュが1分29秒の記録に留まる。しかし、ウエストのチーム・ウエストブルックはハーフコートショットを決めることができず、チーム・ボッシュが勝利し。イーストが10ポイントを獲得した。

 続いて行われたスキルズチャレンジでは、イーストが3選手合計で1分50秒を記録。ウエストの1分53秒を上回り、イーストが30ポイントを獲得した。昨年王者のトニー・パーカー(サンアントニオ・スパーズ)は、トップからのシュートを決められず48.7秒で、まさかのチームラウンドでの敗退となった。チャンピオンシップラウンドでは、イーストのジュルー・ホリデー(フィラデルフィア・76ers)の35.6秒をダミアン・リラード(ポートランド・トレイルブレイザーズ)が29.8秒で上回り、リラードが勝利。ウエストに10ポイントが振り分けられた。

 スリーポイントコンテストでは、マット・ボナー(スパーズ)の19点を筆頭に、3選手合計で54点を獲得したウエストが、イーストの合計45点を上回り40ポイントを得た。決勝はボナーとカイリー・アービング(クリーブランド・キャバリアーズ)の争いとなり、アービングが最初の18本のシュートの内17本を沈め、23点を獲得。ボナーはアービングの好成績のプレッシャーからか、序盤にシュートが決まらず。終盤に盛り返すものの、20点に留まる。アービングがスリーポイントコンテストを制し、イーストに10ポイントをもたらした。

 ここまでカンファレンスの得点はウエストが70ポイント、イーストが50ポイント。チームラウンドで50ポイント、王者に55ポイントが与えられるダンクコンテストでカンファレンスの争いが決することとなった。ダンクコンテストではさらに、チームラウンドで満点の50点のダンクを記録した場合、その選手のカンファレンスに10ポイントが与えられるだけに、サタデーナイトの命運はダンクコンテストに委ねられた。

満点続出で盛り上がりを見せたダンクコンテスト

 各選手が2本試技を行うチームラウンドで、まずダンクを披露したのはイーストの面々。2007年ダンクコンテスト王者のジェラルド・グリーン(インディアナ・ペイサーズ)は、ボードのサイドに当てたボールをキャッチし、パンプアップからボースハンドで豪快なバックダンクを決め、いきなり50点を記録。ジェームズ・ホワイト(ニューヨーク・ニックス)は登場した複数のスチュワーデス風の女性に滑走路を作らせ、リム(リング)へ“フライト”。フリースローラインからボースハンドで決めたダンクは45点だった。テレンス・ロス(トロント・ラプターズ)は、360の最中にビハインド・ザ・バックを決め、ワンハンドでフィニッシュするダンクで50点を記録。2本目はグリーンとホワイトが時間切れに終わるなか、高くバウンドさせたボールを空中でキャッチし、360からワンハンドダンクを決め49点を獲得したロスがチャンピオンシップラウンドへ進出した。

 対するウエストは、1本目のダンクが平凡に終わったケネス・フェリード(デンバー・ナゲッツ)とエリック・ブレッドソー(ロサンゼルス・クリッパーズ)が2本目の試技でともに満点を記録。しかし、昨年王者のジェレミー・エバンス(ユタ・ジャズ)が、台に座らせたマーク・イートン氏に掲げさせたボールを、イートン氏を飛び越えながら空中で取りボースハンドでフィニッシュするダンクや、ボールを2つ抱え360からのダンクで合計90点を挙げ、決勝に進出した。

 チャンピオンシップラウンド1本目は、エバンスが黒い幕の掛かった板を飛び越えウインドミルを炸裂(さくれつ)させる。ダンク後に幕を外すと、自身の昨年のダンクコンテストの絵画が登場するという、アーティスティックなダンクを披露した。

 対するロスは、豪快なダンクで一世を風靡(ふうび)した「エア・カナダ」ことビンス・カーター(ダラス・マーべリックス)のジャージに身を包み登場。カーターを彷彿(ほうふつ)とさせるボード裏側からのウインドミルを、ボードに当てたボールをキャッチして決める進化版を披露した。

 決勝2本目でエバンスは、台に座らせたダンテ・ジョーンズ(マーべリックス)が高く上げたロブを、ジョーンズを飛び越え空中でキャッチし、豪快にワンハンドでフィニッシュ。対するロスは、ボールボーイの子どもを屈ませ、飛び越えながらレッグスルーのダンクを決めた。これで全試技が終了し、世界中のファンがオンラインで投票をした結果、58%の支持でロスが今年度のダンクコンテスト王者に輝いた。

 サタデーナイトの総合得点は、140ポイント対125ポイントでウエストが勝利。ウエストが代表する慈善団体に35万ドル、イーストの代表する慈善団体に15万ドルが贈られた。

 新フォーマットとなったサタデーナイトだが、チームラウンドの勝者や各イベントの覇者がうまく分散し、見ごたえのあるものとなった。ただし、ダンクコンテストでは1本目で好成績を記録したグリーンやホワイトが時間切れで尻すぼみの形に終わってしまったのが残念。団体としてイベントを盛り上げようという気概に、選手も失敗したダンクに固執せず、ほかのオプションで豪快なダンクを決める、といったような「NBA選手を代表しイベントを大いに盛り上げる」という意識をもっと高く持って臨んでほしいものだ。

<了>

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