CEOが語る新潟バルセロナの“志”=サッカーを言語として人を育てるクラブ
歴史的な瞬間
インド代表として活躍するアルビレックス新潟シンガポール卒業生の和泉(26番) 【写真は共同】
わが世を謳歌(おうか)しているFCバルセロナも、1899年に外国人であるスイス人のジョアン・ガンペール氏が立ち上げたクラブということを考えると、外国人である日本人が立ち上げたこのクラブが、これから50年後、100年後に世界の強豪クラブとしてチャンピオンズリーグの頂点に立っている可能性もゼロではないのだ。
そして、この実績からアルビレックス新潟バルセロナは外務省の「日本スペイン交流400周年事業プロジェクト」に認定されている。伊達政宗の命を受けた慶長遣欧使節団、支倉常長がスペインに渡ってから400周年という節目を記念した事業プロジェクト。認定を受けたのは「スペインも日本もサッカーが盛んだから」という理由ではなく、アルビレックス新潟バルセロナの「志」の部分が評価されたからだとも思う。
わたしがCEOを務めているアルビレックス新潟シンガポールとアルビレックス新潟バルセロナの関係性を明確にするために少し語りたい。
アルビレックス新潟シンガポールが果たした役割
選手たちは全員日本人。若くしてJリーグのチームから戦力外になってしまった選手たちがチームの骨格となり、ショーケースであるSリーグ(シンガポールリーグ)で戦い、活躍することで、自分たちを次のステージに上げていく。そして、「卒業」した選手たちが他国で活躍することで、その国々で未知の存在だった日本人選手の存在価値を高めることにつながった。そのおかげもあり、多くの日本人選手が世界で戦えるようになった。また、プレーだけでなく態度や振る舞いといった部分でも、彼らが多くの場面でそれぞれの国との潤滑油になってくれたと思っている。