異文化で確かな功績を残した落合英二 自費参加から「韓国一の投手コーチ」に
宜監督の解任後、新監督からの言葉「落合コーチに全て任せる」
しかし、落合に思わぬ転機が訪れる。落合がコーチ1年目を終えた10年のオフ、契約を4年残す宣が監督を電撃解任されたのだ。チームの生え抜きOBを監督に据えたい親会社の意向だった。落合は宣あっての韓国球界入りということもあり、球団に辞意を伝える。しかし球団は強く慰留、新監督もそれを望んだ。監督の座についたのはフランチャイズスターの元遊撃手で、長年サムスンでコーチを務めた柳仲逸(49)。柳監督は落合に、「1年間このチームを見てきたのだからこれからも一緒にやろう。私はピッチャーのことは分からないから、落合コーチに全て任せる」と落合に投手起用の権限を与えた。
経験を生かした投手起用で成績が飛躍的に向上
落合は自身の経験を投手起用に反映させた。「ランナーがいる苦しい場面ではマウンドに上がりたくなかったですから、なるべく回の頭から使ってあげて、良いところで交代しました。そうしないと疲れちゃいます」。その起用法に選手も信頼を寄せる。プロ8年目の今年、韓国の通算セーブ記録227個を更新した守護神・呉昇桓(30)はこう話す。「落合コーチが1イニング限定で使ってくれるので、シーズン中、しんどくなることはありません」