ブラジルの前に沈黙した日本 影を潜めた勝利への気迫=女子バレー

スポーツナビ

勝利に沸くブラジル(手前)と敗戦に肩を落とす日本。この試合、日本の攻撃は沈黙した 【写真:ロイター/アフロ】

 大接戦の末に劇的な勝利を飾った中国戦から2日。日本は女子バレーボールではモントリオール五輪以来となる、36年ぶりの決勝進出を懸けたブラジルとの準決勝に臨んだ。中国戦の勝利で24年ぶりのベスト4に進出し、勢いに乗っていた日本だったが、ロシアを破って準決勝に上がってきたブラジルにセットカウント0−3(18−25、15−25、18−25)のストレート負け。11日の3位決定戦に回ることが決まった。

わずか1時間16分のあっけない敗戦

 あまりにもあっけない敗戦だった。第1セット序盤こそ木村沙織(東レ)、江畑幸子(日立)のスパイクが決まり、大友愛(JT)のブロード攻撃もきいて競り合いを演じたが、見せ場はそこまで。15−15の同点からブロックポイントなどで徐々に離されると、あとは完全に相手ペースに。終盤で連続ポイントを許し、18−25であっさりと第1セットを落とした。

 巻き返しを図りたい第2セットも常に先行を許す苦しい展開。ブラジルの組織的なブロックのプレッシャーから、スパイクミスにつながっていた江畑に変えて迫田さおり(東レ)を投入するが、得意のバックアタックがなかなか決まない。点差をさらに離される。攻撃が決まらず、相手に渡ったチャンスボールを一発で決められ、頼みの木村にはきついマークがついて、何度も相手ブロックに遭う。結局15−25の大差でこのセットも落とし0−2。
 第3セットでは井上香織(デンソー)や山口舞(岡山)を投入して流れを変えようとしたが、ブラジルの勢いを止められず18−25。3セットを通じて1度も20点に達することができず、メダル確定が懸かった試合はわずか1時間16分で終了した。

封じられた攻撃の生命線であるサーブ

 予選ではまさかの4位通過だったブラジルだが、この日は攻撃も守備も一枚上だった。真鍋政義監督が「研究されているなと思った」と振り返った通り、中国戦で最多得点を挙げた木村、江畑が徹底的にマークされ、スパイクが何度もブロックにかかった。攻撃の生命線であるサーブも封じられ、真鍋監督も「サーブがあれだけ返されたら試合にならない。予選も含めてブラジルは今日が一番良かった」とお手上げだった。「個人的には相手のブロックがすごく気になったわけではありません。自分たちのサーブが全部返されてしまって1本で切られてしまった」と木村は試合後、無念さをにじませながらそう語った。

「この日のためにやってきた」というほど最大のターゲットとしていた準々決勝を突破した直後の試合。勝ちたいという意識がチーム全体からあふれていた中国戦の気迫は影を潜め、ランキング通りの実力を発揮したブラジルの好プレーの前にはおとなしく映った。
「出だしはすごく良かった。もっともっとみんなが勢いを出してやれば、今日もいい試合ができたと思うんですけど……」という木村の言葉には、歯がゆさも感じられた。

 3位決定戦の相手は韓国。サッカー男子と同じく、銅メダルマッチが日韓戦となった。絶対的なエースのキム・ヨンギョンを筆頭に、高さのある選手がそろう韓国は、今大会もブラジルに3−0で勝つなど好調だ。泣いても笑ってもこれが最後。卓球、サッカー、レスリング――女子選手のメダルラッシュに乗って、1−3で韓国に敗れた世界最終予選のリベンジを果たしたい。

<了>

(取材・文/根岸理恵)
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