ブラジルの前に沈黙した日本 影を潜めた勝利への気迫=女子バレー
勝利に沸くブラジル(手前)と敗戦に肩を落とす日本。この試合、日本の攻撃は沈黙した 【写真:ロイター/アフロ】
わずか1時間16分のあっけない敗戦
巻き返しを図りたい第2セットも常に先行を許す苦しい展開。ブラジルの組織的なブロックのプレッシャーから、スパイクミスにつながっていた江畑に変えて迫田さおり(東レ)を投入するが、得意のバックアタックがなかなか決まない。点差をさらに離される。攻撃が決まらず、相手に渡ったチャンスボールを一発で決められ、頼みの木村にはきついマークがついて、何度も相手ブロックに遭う。結局15−25の大差でこのセットも落とし0−2。
第3セットでは井上香織(デンソー)や山口舞(岡山)を投入して流れを変えようとしたが、ブラジルの勢いを止められず18−25。3セットを通じて1度も20点に達することができず、メダル確定が懸かった試合はわずか1時間16分で終了した。
封じられた攻撃の生命線であるサーブ
「この日のためにやってきた」というほど最大のターゲットとしていた準々決勝を突破した直後の試合。勝ちたいという意識がチーム全体からあふれていた中国戦の気迫は影を潜め、ランキング通りの実力を発揮したブラジルの好プレーの前にはおとなしく映った。
「出だしはすごく良かった。もっともっとみんなが勢いを出してやれば、今日もいい試合ができたと思うんですけど……」という木村の言葉には、歯がゆさも感じられた。
3位決定戦の相手は韓国。サッカー男子と同じく、銅メダルマッチが日韓戦となった。絶対的なエースのキム・ヨンギョンを筆頭に、高さのある選手がそろう韓国は、今大会もブラジルに3−0で勝つなど好調だ。泣いても笑ってもこれが最後。卓球、サッカー、レスリング――女子選手のメダルラッシュに乗って、1−3で韓国に敗れた世界最終予選のリベンジを果たしたい。
<了>
(取材・文/根岸理恵)
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