倉敷商、鳴門、高知らが春夏連続出場を目指す=夏の高校野球 中国・四国地区の見どころ

松倉雄太

部員12人で春を制した小豆島に注目=香川

 秋春と上位チームが入れ替わり、混戦模様が予想されるが、部員12人で春の県大会を制した小豆島高の戦いに注目が集まる。1年生が入部し、チームはさらに活性化した。同じブロックには昨夏敗れた坂出商高、秋ベスト4の観音寺中央高が入り、さらに燃える材料となっている。

 春準優勝の丸亀高は、四国大会を経てエース山口立城が自信をつけた。140キロ台の直球とスライダーがピッチングの生命線だ。初戦で対決する大手前高松高には評判の投手・藤川将がおり、注目の一戦となりそうだ。
 高松商高は秋優勝し、四国大会でもベスト4。春は3回戦で多度津高に1点差で敗れただけに、名門復活と巻き返しを期す。同じブロックには夏3連覇を目指す英明が入った。

選抜出場の鳴門と川島の一騎打ちか=徳島

 昨秋の四国王者・鳴門高と春の県大会を制した川島高が一騎打ちムード。鳴門高は選抜出場のため、春季大会は不出場だったが、川島高とのチャレンジマッチを制し、春の四国も準優勝とすっかり上位常連となった。エースの後藤田崇作、甲子園で登板した小林直人の二枚看板を打ち崩すのは対戦校にとって容易ではない。
 川島高は左腕の佐藤大誠が大黒柱。秋の県大会でノーヒットノーランを達成し注目を集めたが、一冬を超えてさらに一段階成長した姿を見せた。鳴門高に三度目の正直を挑めるのは決勝。そこまでしっかり勝ち上がれるか。

 夏5回出場の鳴門工高と、1回出場の鳴門第一高が統合再編され、鳴門渦潮高が今春誕生した。チームは高橋広監督が率い、開校4カ月での甲子園出場を狙う。
 第4シードの池田高と昨夏の覇者・徳島商高が2年ぶりに初戦で激突。大会注目の好カードとなった。私立勢初の甲子園を狙う生光学園高は、初戦を勝てば鳴門渦潮高と対戦する可能性がある。

好投手擁する宇和島東、西条に注目=愛媛

 第1シードの宇和島東高は、中川源和と宮本広大の好投手2人を擁する。打線も4番の岩森健一郎を中心にしぶとい打撃が身上で、春の県大会を接戦で勝ち上がった。
 プロ注目の投手と評判なのが西条高の右腕・小川慶也。最速は146キロを誇り、素質は現・阪神の秋山拓巳に劣らないと評判だ。チームは今春に人事異動で新監督を迎えた。
 秋優勝の小松高は、春の大会で早々に敗れたが第3シードを獲得した。エース中野涼介が復活できれば、秋の再来が期待できる。

 秋ベスト8、春準優勝の松山商高が第2シード。同じブロックには昨夏準優勝の新田高が入り、予断を許さない組み合わせとなった。昨夏の覇者・今治西高は、ノーシードになったが、夏の戦いには強く、侮れない存在である。

明徳義塾と高知が2強の様相=高知

 春の四国チャンピオン・明徳義塾高と、選抜出場の高知高が今年も一騎打ちの様相だ。明徳義塾高は捕手の杉原賢吾を中心に甲子園経験者がチームの軸。四国大会途中から4番に座った西岡貴成は、6打数6安打6打点と打ちまくり注目を集めた。投手陣は福丈幸、福永智之、小方聖稀の三枚に加え、1年生の岸潤一郎がデビューし活気づく。6月には招待試合とはいえ、選抜優勝の大阪桐蔭に土をつけた。同校の西谷監督が、「試合巧者のチーム」と評するように、戦いぶりは全国でも上位を目指せる。

 ライバル・高知高はチャレンジマッチ、県総体と明徳義塾高に連敗。和田恋が台頭したものの、投手陣にはっきりと課題が残った。打線は4番の法兼駿を中心に力があるだけに、直接対決で打撃戦に持ち込みたい。同じブロックには侮れない高知中央高が入った。
 名門の高知商高土佐高がシードを獲得。2強にどこまで迫れるか。

<了>

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著者プロフィール

 1980年12月5日生まれ。小学校時代はリトルリーグでプレーしていたが、中学時代からは野球観戦に没頭。極端な言い方をすれば、野球を観戦するためならば、どこへでも行ってしまう。2004年からスポーツライターとなり、野球雑誌『ホームラン』などに寄稿している。また、2005年からはABCテレビ『速報甲子園への道』のリサーチャーとしても活動中。

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