好投手が多く混戦模様。夏を戦うという点では昨夏を制した習志野高がやや優位な存在か。左腕の在原一稀、主将の福山慎吾らが残り、おなじみとなった吹奏楽部の大応援をバックに連覇を目指す。
　この春に注目を集めたのが千葉国際高の右腕・相内誠。１８４センチと恵まれた体格を生かした直球で三振を奪えるのがセールスポイント。これまでは自責点が少ない状態で負けることもあり、バックの守りが鍵になる。
　今春県大会を初めて制した専大松戸高がＡシードから夏の頂を目指す。関東大会という一つ上のステージを経験し、チームは大きく成長した。栗原洸、石島雄敬の二枚看板には安定感が備わった印象だ。春準優勝の松戸国際高は近年上位に安定して残るようになり、着実にステップアップしている。初の関東で選抜ベスト４の関東一と戦い、チームは自信を深めた。
　秋優勝の千葉英和高は、エース艫居（ともい）春紀の復活が鍵。昨夏ベスト４の拓大紅陵高、エース黄本創星を擁する木更津総合高などが再び上位に絡めるか。

　春の都大会では東東京勢が上位を占めた。今年はかなりハイレベルな年と言えるだろう。
　昨夏の覇者・帝京高は左腕の渡邊隆太郎、石倉嵩也に捕手の石川亮ら甲子園経験者が多く残る。秋は決勝で打てずに負けただけに、打力強化をテーマにおいた冬場に力をつけ、春の都大会では準決勝と決勝が２ケタ得点と打ちまくった。夏４回出場の修徳高が初戦の相手に予想されるため、この試合が鍵となるだろう。
　選抜ベスト４の関東一高は、過密日程だった春の都大会で初戦敗退を喫し、夏はノーシードとなった。２年生エースの中村祐太ら投手陣には絶対の自信を持つだけに、打線が援護できるかがポイント。
　悲願の初甲子園を狙う東海大高輪台高は、春の関東に出場し、大きな経験値を得た。帝京高戦で１回に７点を奪うなど、集中打がある打線は対戦校にとって脅威と言えよう。
　好投手と評判の鈴木誠也を擁する二松学舎大付高、上位常連になりつつある成立学園高、都立勢では雪谷高など、３回戦からの登場のシード校には試合数が少ない強みがある。

　昨夏の甲子園を制した日大三高は、春季大会は早々に敗れてノーシードからのスタート。主将となった金子凌也、甲子園のマウンドを経験した斉藤風多らがチームを引っ張り、夏こそは勝ち抜けるか。
　昨夏準優勝の早稲田実高もノーシード。２年前の甲子園経験がある八木健太郎を中心に、頂点を目指す。第１シードの日大鶴ヶ丘高は、エース大高光に注目が集まる。この３校が同じブロックになり、し烈を極めそうだ。
　春に話題を集めた都立片倉高の金井貴之と、創価高の池田隆英が大会注目の好投手。昨春の選抜を経験した国学院久我山高の川口貴都も忘れてはならない。秋春ベスト４と安定した戦いぶりが光る東亜学園高、日大三と初戦で当たる可能性が高い都立府中東高などの戦いにも注目だ。

　神奈川初の４季連続出場に挑む横浜高はエース柳裕也に加え、春は左腕の田原啓吾が成長。打線も浅間大基、高浜祐仁の１年生が春の大会でデビューし、厚みを増した。ポイントは選抜でも課題が浮き彫りとなった捕手。神奈川の頂は簡単なものではないだけに、重圧に打ち勝てるかが鍵。
　昨年その４季連続を目指してかなわなかった東海大相模高が今年は横浜を止める番となるか。磯網遊斗、森下翔平といった甲子園経験者を中心に攻撃力は県内トップクラス。課題は投手陣で、門馬監督の采配に注目が集まる。
　横浜隼人高は春の県大会で２強を破って優勝。手にした自信は計り知れないものがある。勝負強い打撃が光る小室湧未ら、打線が大会前半でしっかりと勢いをつけたい。
　春ベスト４の桐蔭学園高、好投手を擁する桐光学園高、さらには慶応高、武相高、横浜商大高、川崎北高、立花学園高なども、虎視眈眈（たんたん）と夏の頂点を目指す。

　東海大甲府高と山梨学院大付高が一歩抜けた存在か。
　東海大甲府は、春の大会で成長を見せた本多将吾と、関東大会で完封した神原友の二枚看板。打線は昨年の高橋周平（現・中日）ほどの大砲はいないが、石井信次郎、渡辺諒ら好打者がそろう。
　昨夏の代表工・山梨学院大付は、小林義弘が主将となりチームを引っ張る。エース左腕の広瀬直紀は甲子園でも先発を経験。須田監督直伝の制球力が武器の好投手だ。
　昨秋の関東に出場した甲府工高も三浦慎道、高野翔の２投手を擁する。マスクをかぶる小野がうまく２人の良さを引き出したい。
　一昨年の覇者・日川高は初戦で山梨学院大付に挑む。秋の関東に出場した甲府西高は日本航空高と対戦するなど、初戦から好カードが多い。大会全体の行方を左右しそうだ。

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