桜満開ジェンティルドンナ、春二冠も手応え=桜花賞

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才能開花! ジェンティルドンナが桜花賞を快勝 【スポーツナビ】

 3歳牝馬クラシック第1弾、第72回GI桜花賞が8日、阪神競馬場1600メートル芝を舞台に争われ、岩田康誠騎乗の2番人気ジェンティルドンナ(牝3=栗東・石坂厩舎、父ディープインパクト)が優勝。中団待機から力強い末脚で差し切り、見事3歳牝馬ナンバーワンの称号を手に入れた。良馬場の勝ちタイムは1分34秒6。
 ジェンティルドンナは今回の勝利でJRA通算5戦3勝。重賞は年明け1月8日のGIIIシンザン記念以来となる2勝目。騎乗した岩田、同馬を管理する石坂正調教師ともに桜花賞はうれしい初勝利となった。

 一方、メジャーリーグのシアトル・マリナーズなどで活躍した佐々木主浩氏の所有馬として話題を集めた内田博幸騎乗の4番人気ヴィルシーナ(牝3=栗東・友道厩舎)は、ジェンティルドンナから半馬身及ばず2着に惜敗しビッグタイトル奪取ならず。さらに半馬身差の3着にはニコラ・ピンナ騎乗の3番人気アイムユアーズ(牝3=美浦・手塚厩舎)が入った。

 なお、1番人気の支持を集めていた福永祐一騎乗のジョワドヴィーヴル(牝3=栗東・松田博厩舎)は末脚不発で6着に敗れ、半姉ブエナビスタに続く姉妹制覇の快挙はならなかった。

素質開花、熱発明けひと叩きグンと上昇

熱発明けをひと叩きされ本来の出来が戻った 【スポーツナビ】

 今年の仁川の桜はまだ五分咲き。しかし、満開を待つ桜に代わり、ディープインパクト産駒の若き才媛・ジェンティルドンナが才能を完全開花させた。
「勝ちに行く競馬をして、勝つことができましたから、本当にうれしいですね」
 そう顔をほころばせたのは石坂調教師だ。デビュー前から桜花賞でいい競馬をしたいと思っていた、と惚れこんだ素質馬。思い描いたとおり、3歳牝馬にとっての最高の舞台で最高の結果を残せたのだから、これ以上の喜びはないだろう。

 しかし、すべてが青写真通りに来たわけではなかった。桜花賞へ向けての最重要ステップレースである前走のGIIIチューリップ賞前に熱発してしまい、その影響からレースでも伸びを欠いての4着敗戦。本番に不安を残す結果に思えた。ところが、陣営には大きな悲観はなかったようだ。
「1週後のトライアルもありましたが、とにかく無事にチューリップ賞に使えたのが良かった」とトレーナーが前向きだったことを振り返れば、前走からコンビを組んだ岩田も「前回の競馬でこの馬の力が分かりましたし、計ることができましたからね」と納得の競馬だったことを強調。つまり、出来さえ戻れば勝負になる、そう手応えを得たトライアルだったわけだ。

 そして、ジェンティルドンナ自身も熱発明けをひと叩きされ、2週続けて併せ馬を行うなど調子はグンと上昇。
「前走は心配しながらの出走でしたが、今回は追い切りの反応も良かったし、出来は前回よりも間違いなく良かったですね」と胸を張ったのは石坂調教師。自由に競馬を任せてもらったという岩田も、相棒の能力を余すところなく引き出すレースで、ライバル17頭を外からねじ伏せてみせた。

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